約 2,164,479 件
https://w.atwiki.jp/miiplaza/pages/151.html
すれちがいマップ マップ表示国名 1 日本 2 アメリカ 3 フランス 4 イギリス 5 ドイツ 6 カナダ 7 イタリア 8 スペイン 9 オランダ を確認・・・ {2013-07-21 12 05 41} 本体設定で2012から2099年に時間を動かしたら、 スペシャルMiiと別ゲームですれちがって、広場に招待したMii(-回)が、 いなくなったというのがあった。 その時は泣くほど悲しかった。 皆さんは絶対にやらないで下さい -- 2013-08-04 17 44 45 台湾の地域数は21じゃなくて22です。上から 設定しない(別カウント)、 台北市、高雄市、基隆市、新竹市、台中市、嘉義市、台南市、新北市、桃園県、新竹県、苗栗県、 彰化県、南投県、雲林県、嘉義県、屏東県、宜蘭県、花蓮県、台東県、澎湖県、金門県、連江県 (一度正しい数字のままだったのに、なぜか誰かさんに17というおかしいな数に変更された) -- 2014-02-16 00 38 51 抜けていたバーミューダを追加済み。 -- 2014-05-08 15 40 02 Q Aですが 3DS本体でなくMii広場自体のバージョンアップ情報はないの? 今Ver.3.4です -- 2014-05-17 23 03 31 Mii広場のバージョンについても追記しました。 韓国の地域 すれ違い実績より、少なくとも、 ソウル特別市、テジョン( 大田)広域市、キョンギ(京畿)道があります。 -- 2014-08-13 18 26 11 香港とのすれ違いで、推測できること 香港、シンガポール、マレーシアは3DS共通のようですので、 "誰か来ています!"の部分は、 "有誰來了!"と"You ve got company!"の両方あるかも。 因みに、韓国とすれ違った場合は、 "??? ?? ??!"と表示されます。 ハングル文字7文字、なんとなく推測はつきますが、 確証がないので、敢えてここは、ふせておきます。 -- 2014-09-01 21 26 01 日本版3DSと北米版2DSとのすれ違いは可能なようですね。 名前の所に、2DSの表記があったから、そう見て良いでしょう。 -- 2014-09-05 20 27 27 ・シンガポール、マレーシアは北米版 「You ve got company!」 ・香港は香港・台湾版 「有誰來了!」 3DS共通ではありません。 -- 2014-09-10 12 51 34 中国版3DS(iQue3DSXL 簡体)は「有人来了!」 香港台湾版は繁体字、中国大陸版は簡体字ですね。 -- 2014-09-11 16 23 24 昨年の10月辺りに、他のサイトで数人から、台湾のマップ出来たとの情報が発信されていました。 本日、台湾とすれちがいましたが、少なくとも自分のケースでは、マップ出ませんでした。 -- 2015-02-01 22 41 45 2015年3月13日に、Jax Apollo というスペシャルMiiを受信しました。 地域は東京、最後に遊んだゲームはポケとる、 犬派で趣味はおしゃべり、夢は芸能人、誕生日は12/2、作成者未設定でした。 …誰?? -- 2015-03-14 20 35 27 すれちがいゾンビ「ダウンタウン・駅」 ハイスコア69800pts出せます。 「なりきりセット(武器)×1 仲間(なんでも可)×2」の3人すれちがい状態にて達成。 コツは「仲間が雑魚ゾンビを倒さないように、いかに何も無い所へ誘導できるか」 (仲間は対ボス用に。いるとタイム2分切るのが楽になります。無敵ボーナスは当然として。) -- 2015-05-10 22 30 19 •すれちがいゾンビ「ダウンタウン・裏通り」のレアゾンビですが、wikiでは「ステージ終盤、鍵を手に入れた後の左に続く細い通路内にある 開いた扉の前でチャージ技を使うと扉から出現」とありますが、 アメフトゾンビ直前にドレスのチャージ技を一回だけ使ってしまったのに(しかも敵は一体も倒せず)、 アメフトゾンビを倒して次の場所へ進むタイミングで「レアゾンビ出現」が出ました。 -- 2015-05-19 01 27 20 すれちがいゾンビの住宅ステージでは、倒れているゾンビにタブレットのチャージ技が当たらなかったが、レアゾンビは出現したので、家の前でタブレットのチャージ技を使う事が条件の模様。 -- 2015-06-02 18 25 04 すれちがいフィッシングにおいて「ハリが外れそう」と出てから 外れてしまうまでの時間をプレイして調べてみたら、およそ20秒でした。 -- 2015-07-13 11 46 10 - すれちがいゾンビ ジャンルはベルトスクロールアクション -- 2015-09-08 07 30 51 2-2のモール通路のレアゾンビ 合計2回ゴミ箱を漁ってるゾンビをブタの貯金箱のチャージ技で倒すで確定 チャージ技を使い切る必要はなし -- 2015-10-27 16 15 31 すれ違いメッセージについてメモがてら報告。 本日、英語メッセージ「You ve got company!」の人とすれ違いましたが、実際に広場を開いてみるとドイツの人でした。 ひょっとすると、ヨーロッパ版の3DSでは本体の国設定とすれ違いの国設定が異なるのかもしれません。 -- 2015-11-26 19 31 09 おしらせメッセージでは、私の場合も、このような現象は何度かありました。 おそらく、日本版や韓国版等と異なり、国と地域を設定し、更に、言語を設定するためだからだと、推測されます。 ドイツ(英語、ドイツ語)、オランダ(英語、オランダ語)は、確認済みです。 スイス、ベルギーあたりでも、このような現象は、考えられると推測されます。 -- 2015-11-28 21 16 18 おしらせメッセージですが、今日すれちがった、メキシコ(ディストリト・フェデラル連邦区)は、公用語のスペイン語ではなく、英語メッセージでした。 -- 2015-12-30 23 29 55 そういえば、フィッシングとゾンビの情報提供は、個別に欄を作った方が良いと思います。 -- 2016-02-01 09 27 34 フィッシャーランクについて。(次のランクになるのに必要なポイント、以下昇格点)は (現在ランク)の二次関数y=ax^2+bx+cになりそう。根拠は、0-5の昇格点 240,390,560,750,960,1190の階差を取ると150,170,190,210,230と 初項150公差20の等差数列に見えるから。係数a,b,cの計算は座標平面上の任意の三点を通る 二次関数を求めよの問題だから三元一次連立方程式を解けば求まると思う。また、因数分解すれば 計算しやすくなり本ページに載せられると思う。 -- 2016-02-01 09 41 04 フィッシャーランク、a=10,b=140,c-240,y=10x^2+140x+240 因数分解してy=10(x+2)(x+12)、よって昇格点=10×(現在ランク+2)×(現在ランク+12)である 値は以下。 ランク0-9昇格点:240,390,560,750,960,1190,1440,1710,2000,2310 10-19 2640,2990,3360,3750,4160,4590,5040,5510,6000,6510 20-29 7040,7590,8160,8750,9360,9990,10640,11310,12000,12710 30-39 13440,14190,14960,15750,16560,17390,18240,19110,20000,20910 40-49 21840,22790,23760,24750,25760,26790,27840,28910,30000,31110 ランク昇格に必要な合計 0-9 0,240,630,1190,1940,2900,4090,5530,7240,9240 10-19 11550,14190,17180,20540,24290,28450,33040,38080,43590,49590 20-29 56100,63140,70730,78890,87640,97000,106990,117630,128940,140940 30-39 153640,167090,181280,196240,211990,228550,245940,264180,283290,303290 40-45 324200,346040,368830,392590,417340,443100 46-50 469890,497730,526640,556640,587750 -- 2016-02-01 10 08 49 フィッシングの釣竿 売値 スキルがある場合つりざおページのスキルの項のように1.5、2、2.5倍。 ☆1、強化0 +0 200G +1 400G +2 600G +3 800G 強化0 +0 300G ☆2、強化0、+0 500G 強化代(レア度と回数で決まる) ☆1 1回目500 2回目1000 ☆2 1回目1500 合成代 (2つの竿のレア度と+数で決まる) ☆1+1 +0+0 800G +0+1 1200G +0+2 1600G +0+3 2000G +1+1 1600G +1+2 2000G +1+3 2400G +2+3 2800G ☆1+2 +0+0 1400G +1+0 1800G +2+0 2200G +3+0 2600G ☆2+2 +0+0 2000G 規則性がありそう。 -- 2016-02-01 10 46 44 すれちがいゾンビ モール中庭のレアゾンビについて ・2人目のMiiが最初で出て来ず、必要なタイミングまでに食器セットを受け取れない場合がある。確実にもらうなら1人目で。 ・第1波のゾンビ出現アイコン3回目が出たら左のゾンビ(柵で引っかかる)を無視して中央下に行き○溜め開始、生えてきたゾンビを追いかけるようにして狙いを定め、まとまったところでクロッシュを落とす。 -- 2016-04-26 10 01 14 音楽リストの株トレーラー ・デイトレード開始!の下 → 教えて、カブチーノ (たぶん用語集のトコ) ・どれにしようかな?の下 → ちょっとひと息 ・気になる結果は?の下 → 道のりは長く -- 2016-09-06 02 35 28 「すれちがい通信中継所」2018年3月28日(水)午前10 00で稼働停止? https //www.nintendo.co.jp/support/information/2018/0228.html -- 2018-02-28 22 42 58
https://w.atwiki.jp/miiplaza/pages/149.html
購入前どんなゲーム? これ面白いの? 購入後イントロダクション 基本情報タネがどんな花になるか推測できる?「咲きそうな花」の確率がアテにならない… 好きな色の花を作りたい 20種集めて花マイスターになったらどうなるの? 購入前 どんなゲーム? 花を育てるゲームです。 タネを埋めてすれちがいでやってくるMiiと一緒に花を育てていきます。 育成した花で庭を飾ったり、客の依頼どおりの花を作って納品していきながらゲームを進めます。 花の種類は80種類・色は1~12種類。茎と葉も哥種類。と、配合によって様々な花が作成できます。 例えると「バブーとコンテストがなくて、配合マシンがすれちがい頼りなアストロノーカ」だそうです。 これ面白いの? コツコツ収集系のゲームなので向き不向きあり。 ぶつ森でカタログ・図鑑埋めまくったり青バラつくったりする人は向いてます。 アイテム収集属性ない人には向かないかもしれません。 購入後 イントロダクション No イベント 達成後 1 最初の花を育てる - ↓ 2 最初の花の種を採取 - ↓ 3 採取した種を育てる メンデルさんから種を貰える ↓ 4 種を貰い、育てる フラワーセンターに行けるようになる 基本情報 「咲きそうな花」が3種類表示される場合、両親のどちらとも違う花が咲く場合がある。(品種変化)この方法で咲く花は珍しい品種である場合が多い。 メンデルさんによれば、品種変化が起きても科が変化することはないらしい。(「まぼろしの花」は例外扱い?) Mii広場で2回以上すれ違ったMiiは友達扱い(花手帳10種達成でエントランスに入ってくるときに花弁が舞うようになる)になり、そのMiiの花と交配すると「まぼろしの花」が咲くことがあるらしい。 花の種が少ないケース、レアな形状、色?の場合(例 カンパーニュ)取れる種が少ないが通常の形態より高く売れる。 タネがどんな花になるか推測できる?「咲きそうな花」の確率がアテにならない… 花ごとにタネの形は決まっているのでタネの形をチェックすること(L⇔R)で、両親のどちらと同じ花が咲くのかある程度推測できる。 また、タネの売却価格も判別材料になる。売却価格は購入価格の半額になるので花リストのタネ購入価格をチェックすればよい。 例)チャーム(栗型・タネ購入価格1500G)とフローラルピグ(栗型・タネ購入価格1700G)の配合 どちらも種子が栗型なのでタネの形では判別できないが、売却価格が750Gの場合は購入価格1500Gのチャームとなる。 好きな色の花を作りたい ゲームを進める(花手帳で8種類達成)と、やってきたMiiとタネを植えることができるようになる。 その際に植えたタネは手伝ってもらったMiiの好きな色(=服の色)になる。 ただし、白か青しか咲かない花を赤にするということは不可能。 20種集めて花マイスターになったらどうなるの? 花マイスターのぼうしがもらえる 種箱1段追加(最大24個保管可能) 新しい花手帳に切り替え(全80種の項目。幻の花がシルエットで表示) メンデルさんがサポーターから友人に(やることは一緒) イベント後にスタッフロール挿入 ここからが本番です
https://w.atwiki.jp/miiplaza/pages/79.html
「国設定」は購入時の状態で完全固定なため、表にない国は記載漏れか3DSが未発売の国。 日本を含むG7(先進7ヶ国)などは「マップ」の欄が○になっているので、その国内の州(日本の場合は都道府県)も表示される。 「マップ」が表示される国の行政区画をすべて埋めると、その国の「マップ」を表示した際に上から紙吹雪が舞うという演出がされる。 「マップ」の欄が×になっている国は、埋まった地域の場所を示す白地図が表示されない。また、マップがない国のすべて行政区画とすれちがっても紙吹雪の演出はない。 地域数が0以外の国で、地域を設定していない場合は別カウント。 日本版に於けるすれちがいマップの並びは左から右の順に日本= 北米版ABC順= 欧州版ABC順= 台湾= 韓国= ホンコン= 北米版2= 中国= 北米版3となりローテーションする。 北米版2はホンコンより後、シンガポール= マレーシア、北米版3は中国より後、アラブ首長国連邦= サウジアラビア= バーミューダで完全なABC順でない。 海外の3DSについては、北米版、韓国版、台湾-香港版、中国版で設定できる国・地域はすべてすれちがい通信可能。 欧州版についてはEUと東欧の一部の国のみすれちがい可能。中央アジア、アフリカの国々は設定できても『すれちがいMii広場』自体が起動できない。 国と地域(ここでの地域は、日本が国として認めていないが自治権のある飛び地などのこと)については、ISO 3116-1 国コードに準じている。3DSでいう地域はISO 3116-2 行政区分に準じている。 Ver4.0からコンプした日本をもう一周することが可能になった。周回すると勲章が貰える。53周すると勲章×53と表示されるのが確認されている。(2016年10月2日の時点) 国名 地域数 マップ EU版可否 備考 アイスランド 0 × 不可 アイルランド 26 × 可 アゼルバイジャン 0 × 不可 アメリカ 52 ○ - コロンビア特別区(=ワシントンD.C.)、プエルトリコ含む アラブ首長国連邦 7 × - アルゼンチン 24 × - アルバ 0 × - オランダ領 アルバニア 12 × 不可 アンギラ 0 × - 英領 アンティグア・バーブーダ 7 × - アンドラ 0 × 不可 イギリス 4 ○ 可 イタリア 20 ○ 可 インド 34 × 不可 ウルグアイ 19 × - 英領ヴァージン諸島 0 × - エクアドル 24 × - ガラパゴス諸島含む エストニア 0 × 可 エリトリア 0 × 不可 エルサルバドル 14 × - オーストラリア 8 ○ 可 Ver3.0で地図追加 オーストリア 9 × 可 オランダ 12 ○ 可 オランダ領アンティル 0 × - ガーンジー島 0 × - 英領 ガイアナ 10 × - カナダ 13 ○ - 韓国 16 × - 世宗特別自治市は未反映とみられる キプロス 0 × 可 ギリシャ 13 × 可 グアテマラ 22 × - グアドループ 0 × - 仏領 グレナダ 0 × - クロアチア 21 × 可 ケイマン諸島 0 × - 英領 コスタリカ 7 × - コロンビア 33 × - サウジアラビア 13 × - ザンビア 0 × 不可 サンマリノ 0 × 不可 ジブチ 0 × - ジブラルタル 0 × 不可 英領 ジャージー島 0 × 不可 英領 ジャマイカ 14 × - シンガポール 0 × - ジンバブエ 0 × 不可 スイス 26 × 可 スウェーデン 21 × 可 スーダン 0 × 不可 南スーダンは未確認 スペイン 19 ○ 可 セウタ、メリラ含む スリナム 10 × - スロバキア 8 × 可 スロベニア 0 × 可 スワジランド 4 × 不可 セルビア・コソボ 0 × 不可 セントキッツ・ネイビス 14 × - セントビンセント・グレナディーン 0 × - セントルシア 0 × - ソマリア 0 × 不可 タークス・カイコス諸島 0 × - 英領 台湾 22 × - 中国とは区別される台湾-香港版のみ地図あり チェコ 14 × 可 チャド 0 × 不可 中国 31 × - 台湾、ホンコンとは区別される チリ 13 × - デンマーク 7 × 可 グリーンランド、フェロー諸島含む ドイツ 16 ○ 可 ドミニカ共和国 30 × - ドミニカ国とは別マップ ドミニカ国 0 × - ドミニカ共和国とは別マップ トリニダード・トバゴ 13 × - トルコ 81 × 可 ナミビア 0 × 不可 ニカラグア 17 × - ニジェール 0 × 不可 日本 47 ○ - 北海道~沖縄県までの47都道府県単位の設定 ニュージーランド 16 × 可 ノルウェー 20 × 可 スバールバル諸島含む バーミューダ 0 × - 英領「いつの間に通信」が有効であれば、すれちがいMii広場を起動すると強制終了のバグがあるため、この国を設定して広場に出したいなら予め「いつの間に通信」を無効にすること ハイチ 10 × - バチカン市国 0 × 不可 パナマ 10 × - バハマ 0 × - パラグアイ 18 × - バルバドス 0 × - ハンガリー 20 × 可 フィンランド 20 × 可 ブラジル 27 × - フランス 26 ○ 可 グアドループ、マルチニーク、フランス領ギアナ、レユニオン含む フランス領ギアナ 0 × - ブルガリア 28 × 不可 米領バージン諸島 0 × - ベネズエラ 25 × - ベリーズ 6 × - ペルー 25 × - ベルギー 3 × 可 ボスニア・ヘルツェゴビナ 3 × 不可 ポーランド 16 × 可 ボツワナ 0 × 不可 ボリビア 9 × - ポルトガル 20 × 可 マデイラ諸島、アゾレス諸島含む ホンコン 0 × - 中国とは区別される ホンジュラス 18 × - マケドニア 0 × 不可 マリ 0 × 不可 マルタ 0 × 可 マルティニーク 0 × 仏領 マレーシア 16 × - マン島 0 × 不可 英領 南アフリカ 9 × 可 メキシコ 32 × - モーリタニア 0 × 不可 モザンビーク 0 × 不可 モナコ 0 × 不可 モンテネグロ 0 × 不可 モントセラト 0 × - 英領 ラトビア 0 × 可 リトアニア 10 × 可 リヒテンシュタイン 0 × 不可 ルーマニア 42 × 可 ルクセンブルク 0 × 可 レソト 10 × 不可 ロシア 83 × 可
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/55756.html
【検索用 すれちがいきるひほっふ 登録タグ 2022年 CeVIO talow す すとろぼ とあす 内緒のピアス 可不 曲 曲さ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:内緒のピアス 作曲:内緒のピアス 編曲:内緒のピアス 絵:とあす(Twitter) 映像:talow(Twitter) デザイン:すとろぼ(Twitter) 唄:可不 曲紹介 曲名:『すれ違いキルヒホッフ』(すれちがいきるひほっふ) 内緒のピアス氏の5作目。 歌詞 都会一人暮らし御用心 鍵をそっと仕舞い込んで 余った微熱に埋もれては 私が部屋に溶けていく 引き出し5mmに残る違和 ある仮説を誘い込んで 死角に●RECを仕掛けては まさかなって笑い答え合わせ 冷めた手 けど 湿ってく 知らない君がそこにいる WICに滑り込む 見慣れた僕が帰って手を伸ばす 時計は0を指している 時計は0を指している 時計は0を指して息が止まる ねえ ワンルーム・ハイド きっと だあいすきだって言ってよ なんで?なんてこと聞かないで 私、恋に落ちたの、わかってる? 後悔したっていいの 私をもっと知ってよ 少しくたびれてる「ただいま」を待っている 背中越し 聞き慣れてる「ただいま」を待っている コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/3dsbadgeget/pages/17.html
基本情報 ホーム画面に表示するバッジの大きさと表示数は□田で調整できる 同じバッジでも5段階の大きさがある ホームを一番大きくすると1+3+1で5個置ける 2+6+2で8個 3+15+3で21個 4+28+4で36個 5+45+5で55個 ホームを一番小さくすると6+60+6で72個置ける フォルダを一番大きくすると1+3+1で5個置ける 2+10+2で14個 3+21+3で27個 4+36+4で44個 フォルダを一番小さくすると5+50+5で60個置ける 両端の列は全部表示されない カテゴリー スーパーマリオブラザーズ マリオ と なかまたち とびだせ どうぶつの森 キャラクター とびだせ どうぶつの森 アイテム ドット コレクション サイズ 1×1 1×2 2×2 ソフトがはじまるバッジ すれ違いMii広場 ダウンロードプレイ ニンテンドーイーショップ ニンテンドー3DSサウンド ニンテンドー3DSカメラ Miiスタジオ 思い出きろく帳 本体設定
https://w.atwiki.jp/83452/pages/12190.html
放課後 澪「今日帰りに楽器屋行かない?ベースをメンテナンス出したいんだけど」 律「ごめん、今日両親出かけるから私が夕飯作らなくちゃ行けないんだよ」 澪「そっか」 唯「私大丈夫だよ」 紬「ごめんなさい、私もちょっと用事あって」 律「梓は?」 梓「あ、私大丈夫ですけど」 澪「じゃ、私と唯と梓と3人だな」 楽器屋へ向かう途中、唯の携帯が鳴る 唯「あ、憂からだ」 唯『もしもし』 憂『あ、お姉ちゃん?今日お父さんとお母さん帰って来るから、なるべく早く帰って来てね』 唯『そうなんだ、うん分かった』 唯「ごめん、私も用事出来ちゃった」 澪「そうか」 残された澪と梓 澪(梓と二人きりか、1年の頃は私を慕ってくれてたみたいだけど) 澪(最近じゃ梓は唯と絡んでばっかりで二人で話す事もほとんど無くなったな) 澪(これも梓と二人で話す良い機会だな) 梓(澪先輩と二人きり…) 梓(二人きり何ていつ以来だろう?) 梓(私が澪先輩と二人で話さなくなったのは…) 澪「どうしたんだ梓?」 梓の顔を覗き込む澪。 梓「な、何でもないです」 澪「じゃ、行こっか梓」 梓「は、はい」 歩き出す二人。 楽器屋 澪「すいませーん。ベースのメンテナンスお願いします」 店員「今、ちょっと込んでまして2時間近く掛かってしまいますけど」 澪「2時間か、明日の部活までには使いたいし、どうしよう。一回帰るのも」 梓「2時間くらいなら、待ってましょうよ」 澪「そうか、じゃあお願いします」 店員「かしこまりました」 澪(エリザベス、良い子にしてるんだぞ…) 澪「付き合わせちゃって悪いな、梓」 梓「いえ」 澪「でも2時間、店内で暇潰すのもな」 梓「楽器見たりとかしてます?」 澪「先週、律とここ来たばっかりなんだよ」 梓「そうなんですか……」 澪「そうだ。じゃあさ、待つ間デートしない?」 澪がそう尋ねると、梓の顔はみるみる真っ赤になる。 梓「デ、デートって///」 澪「あ、デートって言っても周りの店覗いたり、カフェでお茶したりとかだけど。イヤ?」 梓「そ、そんなことは……」 澪「じゃあ、行こっか」 梓「は、はい」 澪が梓の手を取ると、梓はちょっぴり動揺しながらも、嬉しそうに澪の手を握り返す。 澪「さ、行こう」 私達は歩き出す。手を繋いだまま。 梓「澪先輩……、ちょっと恥ずかしい///」 澪「でも、こうしていると梓の温もりが気持ちいいから……」 梓「は、はい……」 梓は小さく頷くと、照れくさそうな笑顔で私に微笑んでくれた。 ふふ、今だったら唯の気持ちも分かるな…… 可愛い梓を抱きしめたいって気持ち…… 本屋 澪「あ、そういえばこの雑誌発売日だったんだっけ」 梓「あれ?澪先輩もこの雑誌読んでたんですか?」 澪「ああ、梓も?」 梓「はい、音楽特集とか読みやすくて好きなんです」 澪「そうなんだよな」 楽しそうに語る澪。 ぎゅうっ その顔を見ると梓の胸が苦しくなる。 澪先輩は律先輩が好きなんだ。 そんな事は分かっている。 澪先輩には律先輩が居る。 私じゃない。 私が澪先輩とあまり話さなくなったのは… 私が澪先輩を好きって気付かれたら困るから。 あなたには律先輩がいるから。 CDショップ 澪「このバンド新譜出すんだよな、予約しなくちゃ」 梓「澪先輩、結構色んなの聴きますね」 澪「詩とか参考になるしな」 梓「あ、そうですよね」 澪「格好良い歌詞とか書いてみたいけど中々…」 梓「澪先輩の歌詞、私好きですよ」 澪「ありがとう」 澪「いつか、HTTのCDもここに並べられると良いな」 梓「そうですね」 やっぱり音楽の事を語る澪先輩は格好良い。 思わず見とれてしまう。 ぎゅうっ 梓の胸がまた苦しくなる。 カフェ 澪「私のおごりだから、好きなの注文して」 梓「良いんですか?」 澪「私の用事に付き合わせちゃったからな」 カフェでは梓と色んな事を話した。 軽音部の事、音楽の事、2年生達の事。 梓は実に楽しそうに話してくれた。 時間は瞬く間に過ぎていく。 気付けばもう、メンテが終わる時間になっていた。 楽器屋 店員「お待たせしました。こちらです」 澪「ありがとうございます」 澪「やっぱり、メンテ出すと違うな。頬ずりしたい」 梓「唯先輩みたいですね」 澪「ハッ!い、今のは聞かなかった事にしてくれ///」 梓「大丈夫ですよ。私もむったんに、たまにしてますから」 エリザベスを受け取り、店を出る二人。 澪「もうこんな時間だし、そろそろ帰ろうか」 そう言い、歩き始める澪の制服の裾を梓が掴んだ。 制服が引っ張られた感覚を感じて澪が立ち止まる。 そしてゆっくりと振り向くと 梓が少し悲しそうな表情でこちらを見上げていた。 澪「何?」 梓(今日一緒に居て、改めて自分の気持ちに気付いた) 梓(私は澪先輩が好きだ) 梓(今まで好きだって言えなかった) 梓(言う勇気もなかった) 梓(誰にも言わず、私は我慢してきた) 梓(私はずっと…ずっと) 梓(でも、もう我慢出来ない……) 梓「み、澪先輩に話したい事があって……」 澪「話?」 梓「澪先輩は軽音部に入ったばかりの私をずっと気に掛けてくれて」 梓「軽音部に馴染めなかった私に、色々気をつかってくれて」 梓「澪先輩が居なかったら私、軽音部を辞めてました」 澪「梓…」 梓「いつも澪先輩が隣で励ましてくれた。だから私は澪先輩に憧れてたんです」 梓「私も澪先輩みたいになりたいって」 梓「最初は、澪先輩と一緒に軽音部で活動できるだけで満足でした」 梓「でも、それがいつしか憧れから別の感情になって……」 梓「私、私っ……もう澪先輩への気持ちを抑える事が出来ません」 澪は黙って梓の告白を聴いている。 脚が震えている。顔が真っ赤になってるのが自分でも分かる。 気を抜いたら涙がこぼれ落ちそうだ。 とても澪を直視出来る状態では無い。 けれど、梓は緊張に押し潰されそうになりながらも、懸命に澪を見た。 梓「…………」 言葉にならない。伝えたいのに。 ずっとずっと我慢してきた気持ちを…… そんな梓を、澪はふわりと抱きしめた。 澪「ありがとう。梓の気持ち、ちゃんと伝わったよ……」 澪「大好きだよ、梓」 思わぬ言葉に、梓はすっかり固まっている。 澪「もう少しこのままで……」 澪の温もりを感じながら、梓は幸せに包まれていく。 そして、ずっと伝えたかった言葉を紡ぎ出した。 梓「私も…澪先輩が好きです。ずっとずっと前から大好きでした」 澪「梓…」 そっと梓の顔に手を掛け、澪はそのまま唇を重ねた。 しばらくして、唇が離れると澪はそっと梓の頭を撫でる。 すると梓は澪に甘えるのであった。 見上げてくる梓が、堪らなく愛しい。 そして、もう一度キスを交わす。 梓「てっきり澪先輩は律先輩の事が好きなんだと思ってました」 澪「り、律はただの親友だ。そんな風に思われてたのか///」 梓「誰だって思いますよ」 澪「梓だって、唯とべったりだったじゃないか」 梓「あ、あれは唯先輩が一方的に抱きついてくるだけで」 澪「そうだったのか。お互いすれ違いだったんだな」 梓「澪先輩と恋人になれたのが、未だに信じられないです……」 そう語る梓に、澪の胸はきゅん、ときめいてしまう。 梓「私、すごく嬉しいです……」 自分の心境を語る梓に澪は自然に笑みがこぼれる。 澪「私もだよ……」 恥ずかしいのを堪えつつ、澪も自分の気持ちを打ち明ける。 梓「澪先輩は私のどういう所が好きなんですか?」 澪「恥ずかしい事聞くなよ///」 思わぬ問いに、澪は真っ赤になってしまう。 梓「聞きたいです」 澪「……そうだな、何事にも一生懸命頑張る所とか、可愛い笑顔。それに……」 澪は自分の胸に梓を抱き寄せた。 澪「ほら、ドキドキしているだろ?梓を見てるとハートドキドキだよ」 梓はくすり、と笑った。 梓「私も、澪先輩と居るとドキドキしてます」 お返しにと、梓は澪の顔を自分の胸に抱き寄せた。 身長差のせいで澪は随分、前傾姿勢になってしまったが。 澪「本当だ、梓のハートがドキドキしてる」 澪は上目遣いに見つめてくる。 梓は微笑み、澪の顔をそっと抱き寄せキスをした。 お終い 戻る
https://w.atwiki.jp/toho_yandere/pages/1670.html
すれ違い タグ一覧 ほのぼのヤンデレ ハッピーエンド 結婚 霊夢 結婚は人生の墓場……などとはよく言ったもので。 一度結婚してしまえば、金も時間も家族のために使わなくてはいけなくなる。また貧乏な家では女房も子も苦労する。 一方独り身は独り身でまた大変なもので、とかく世間体が悪くなる。閉じた社会では世間からの評判というのは大変貴重なものであって、このためにとりあえず結婚するという手合いもそうそう少なくない。 さてこの男、〇〇というが、この男は未婚であった。 妻と子供とに囲まれて、穏やかな余生を過ごす……というのは彼の頭にちらつく理想の一つではあったが、いかんせん金が足りなかった。貧乏で後ろ盾も、これといった長所もない男と積極的に関係を結びたがるものもおらず、こうして彼は今日も独身を託っていた。 「で、まだ結婚相手は見つからないの?」 酒を注ぎながら霊夢が言う。 「ああ。今年も結局、ここで年を越しそうだ」 「そう。ならお蕎麦の準備をしなくちゃね。あーあ、出費が痛いわ」 ため息が徳利の中の水面を揺らす。その波が静まらないうちに、彼女は酒を呷ってしまった。 「おいおい、まだまだ潰れてもらっちゃ困る」 「ぷはっ…………あら、どうして?」 空になった徳利を畳の上に投げ捨てて、霊夢は男に倒れ込んできた。 いつものことだ。 男は身じろぎもせずに彼女を受け止める。 「一人が淋しいからここに来てんだぜ。お前がすぐに黙っちまったら、俺は虚しいだけだろう」 「いいじゃない。別に言葉なんていらないわよ……ほら、なんて言ったかしら。何とかっていう哲学者が、『本当の友人とは、気兼ねなく沈黙できる友人のことを指す』……だとか、こんなことを言ってたじゃない。そういうことよ、きっと」 そういうなり、霊夢は男の体に顔を埋めた。 そうして母に甘える赤子のようにもぞもぞとして抱きついていた。 「はぁ。まあ、一理あるがね」 男は霊夢の頭を撫でてやった。前に酔った勢いでついやってしまったのが始まりだったが、霊夢の反応がまんざらでもなかったため、こうしてたまに撫でてやるのだ。 ただ奇妙なことに、二人にそれ以上の関係はなかった。 ここまで来ればあとは本番をやるだけというのが、ほかに娯楽もないような辺鄙な土地の常道なのだが、一体全体どうしたことか、二人はここで足踏みしていた。 すぅ……すぅ……。 今にも消え入ってしまいそうなか細いが寝息が、まさに目と鼻の先と言う他のない懐から聴こえた。 「なんだ霊夢、寝ちまったのか」 声で呼びかける。無理して揺さぶろうとはしない。 「寝ちまったか…………」 しんとした冷たい夜の空気が、部屋の外から流れ込んでくる。扉は閉めているはずなのに、囲炉裏の炎は燃えているのに、寒くて凍えそうで仕方なかった。 男は霊夢の顔を見ようとした。 しかし男に顔を埋めて眠っていた霊夢は、その表情を男に見せてはくれなかった。 「はあ…………やっぱり、淋しいや」 ふわふわと浮ついた馴れ合いの関係。 楽園の巫女にふさわしい、一時の退屈しのぎ。 「違うんだねえ、やっぱり……俺たちは…………」 男と女との恋愛観が違うというのはよくあること。ただ力も地位も何もかもが一方的な関係では、愛情の天秤が傾いてしまう。人が獣を愛でる如きの愛情となる。 そこには確かに愛情はある。ある筈だ。しかし理解と共感はない。端から見れば実に収まりのいい二人に見えれど、当の片割れはけして満足を得られない。 霊夢をそっと身体から離して座布団の上に寝かせると、男は筆を手に取った。 翌朝霊夢が目を覚ますと、そこに男の姿はなかった。 代わりに一通の手紙が卓袱台の上に置かれていた。 『そろそろ身持ちを固めようと思う。これ以上霊夢にも迷惑をかけていられない。これまで世話になった』 とても短い書き置きだった。 しかし霊夢が事情を察するには充分過ぎる言葉だった。 力のなくなった手から手紙がはらりとこぼれ落ち、足は身体を支えきれずに崩れ落ちた。 倒れ込んだ拍子に、昨晩使った徳利を割ってしまった。破片が白い柔肌に食い込んで、赤く鮮やかな血が走ったが、それは彼女の関心を惹かなかった。 最後にあてどない視線が虚空に漂い、色を失った目が一筋の涙をつうと流した。 「ねえ……あたしの何が、いけなかったの…………?もっと綺麗な女がよかった?もっと優しい女がよかった?」 こんなあばら屋が気に食わなかった?美味しいご飯が食べたかった?ごめんね、贅沢させたげられなくて。 「もしあたしの手の届くことなら。……言ってくれれば、あなたの好みに合わせたのになあ…………」 もっとお洒落をすれば好かったのかしら。それとも、気軽な女の方が好かったのかしら。真面目に働く女の方が、好かったのかしら。 「ごめんね、〇〇」 巡らせど巡らせど、答えは一向に見つからず。 流した血と涙が乾くまで、霊夢はずっと、虚空に向かって許しを請うた。 神社を後にした男は、しばらく浮ついたような生活をしていた。 霊夢の元では寂しさを埋めることはできない。かといって、平凡な男をそう都合良く好いてくれる女がいる訳でもない。ましてや都合の良い縁談話が転がっている訳でもない。 思い切って飛び出してきたものの、結局孤独のままだった。 「はあ。……別に寂しさが紛れた訳でもねえなあ」 男は長屋の自室でごろりと寝っ転がった。 何も聞こえない部屋の中で、ふとこれまでのことを思い返す。 異性としての好意を自覚したのは、もうだいぶ前になる。 先の見えない恋だった。 いつ自分の中の強がりが崩れて、ただの何もできない自分を彼女の前に晒してしまうのか。そればかりが怖かった。 「…………そういえば、霊夢のやつは、どうしてこんな男と一緒にいてくれたんだろうなあ」 無条件の無償の愛、そんなものはあり得ないのだ。 愛には理由がある。 「そもそも、いつから……あいつと逢うようになったんだっけか」 どうにも思い出せない。平凡な過去があったと漫然と覚えているばかり。 これが戯曲なら壮絶な過去の一つ二つあって、とある事件で記憶をなくしていた……という展開にでもなるのだろうが。そんな都合の良い話はない。替えの利くような人生しか送ってこなかったはずだ。 特別なことなどなく、偶然の積み重ねが怠惰に続いてここまできただけ。そもそもああいう立場の人と親しくなれただけでも奇跡だ。 だからどうにもならない。せめて今なお好意を抱いてる女の幸福を祈り続けるばかり。 「幸せになれよ、霊夢。俺には……無理だ。お前といるたびに、勝手に思い詰めてふさぎ込んぢまうんだからよ」 ーーお前は俺を、同じ土俵に立って、同じものを見ている存在だと勘違いしていたんだろう。だけど本当の俺は、そういう風を装って、これまでやせ我慢を続けていただけ。 「これまで勘違いさせて、悪かったなあ」 陰気な天井を見つめる男の目は虚ろで、やがて怠状な疲れとともに閉じられていった。 「おーい、〇〇さん」 往来を歩いていた〇〇は、酒屋の店主に呼び止められた。 「どうも、ご無沙汰しとります」 「急な用事で悪いんだがよ、博麗神社に酒を届けてくれねえか」 博麗神社。 今更掘り返したくもないものであった。しかし、こんな簡単に噂の出回る閉じた世界で、下手な発言は出来やしない。 「ほら、お前さんは仲良いからよ。あの偏屈巫女様と」 「分かりました。ただ届けるだけで構わないんで?」 「ああ。頼むよ」 「焼酎の一本でも取っといて下さいよ」 そう捨て台詞を残し、男は仕事を引き受けた。一度引き受けてしまったからには、最後までやり遂げなければどうしようもない。ここでぶん投げるくらいなら、勘ぐられるのを覚悟で断った方がまだましだ。 「ああ……嫌だねえ」 道すがら、誰に言う訳でもなく呟いた。呟かざるを得なかった。何か気を紛らわしながらでないと、とても足は進まなかった。 ーー霊夢と俺とじゃ、俺が全面的に悪いんだ。どうしてひどい目に遭わせた奴の前に、のこのこと姿を見せにいけるんだか……。 それに。 一度捨てた未練を思い返してしまうかもしれない。 真綿で首を締め付けられるような寂しさを。あの愛しくも辛い感覚を。もう一度思い出してしまうかもしれない。 男は博麗神社に到着した。 「あれから……だいたい三日か。もう割り切ってくれてるといいが」 酒瓶を担いで鳥居をくぐり、荒れ果てた境内を進んで巫女が起居をする奥の間に向かう。 縁側に臨する襖はぴたりと閉じられている。 隙間がなくては、様子をうかがうこともできない。仕方がないので男は大声で呼ぶことにした。 「こんにちは、酒屋です」 返事がない。 しばらく待ったが、返事がない。 「霊夢さあん。いらっしゃいますかあ」 またしても返事はなかった。 まさか酒瓶を庭に置いて帰るという訳にもいかないだろう。風の一吹きで瓶が倒れて、土の肥やしになるだけだ。いくら霊夢が変わり者でも、そんな注文をする訳ではない。 「仕方ねえな。留守にするお前が悪いんだぜ」 男は襖を開けた。 そして幾日ぶりかに見る部屋の内装を見回していると、 「霊夢!」 仰向けになってぼうっとしている、生気のない霊夢の姿があった。 「どうしたんだ!」 「…………〇〇?」 「ああ、俺だよ。いったい何が……」 「〇〇なの?本当に?…………戻ってきてくれんだあ」 ーーよりを戻しにきた訳ではなく、単に酒の配達にきただけだ。 しかしとてもそんなことを言える訳がなかった。 傷つき今にも息絶えてしまいそうな霊夢を目の前にして、男は否応なしに腹を決めた。 「すっかり痩せこけちまって……食ってねえな。今、何か作ってやる」 男は厨房に立った。戸棚を探ると、そこには蕎麦が二人前あった。他の食材は痛んでいるか調理の難しそうなものばかりだったので、蕎麦を茹でることにした。 「出来たぞ。無理しないで食えよ」 「あ……大晦日のために取っておいた、お蕎麦……」 「また俺が買ってきてやる。食えるか?」 「…………うん」 そう言って、霊夢は上体を起こそうとした。 しかし弱り切った体は支えきれずに崩れ落ちた。 「あっ……ごめんなさい……」 「仕方ねえな」 男は霊夢を後ろから抱きかかえた。それから右手で箸を持って蕎麦を口元まで運んでやった。 「いただきます」 ぎこちない動きで少しずつ、霊夢は蕎麦を啜っていった。 ひびの入った瀬戸物をそっと扱うように、男は丁寧に箸を動かした。それに呼応したように、女も唇を動かす。 やがて二人の営みは終わった。 「ねえ……〇〇……」 「うん?」 「ごめんね……迷惑かけて……」 「まったく。霊夢がこんなに手のかかるやつだとは思わなかったよ」 「ごめんね……ごめんね…………」 霊夢はただただ謝り続ける。口の動く限り、言葉の届く限り。もうすれ違いなど起きて仕舞わぬようにと祈りながら。 力のないその哀願を前に、男のわだかまりはすっかり消えてしまっていた。 「いや、いいんだよ」 「えっ……?」 「俺が面倒を見てやらないといけないみたいだから」 「〇〇…………?」 霊夢はきょとんとして見返してくる。 「ああ、ちくしょう。はっきり言わねえと分からねえかな。お前が独り立ちできるようになるまで、俺はずっとここにいるとも」 「〇〇……嬉しい…………」 そのまま二人はしばらく黙ってじっとしていた。 霊夢は体を包み込まれて支えられているだけで十分だったし、男は霊夢を抱きしめて支えていることが何よりの喜びだった。 「これ、お礼ね。わかってるとは思うけど、他言無用よ」 「それはもう当然のことで。ありがとうごぜえやす」 場所は博麗神社から離れて、人里の酒屋。 その店奥の客間にて、酒屋の主人と八雲紫とが密談をしていた。 「しかし〇〇の奴に配達を任せるだけで、こんなに貰えるなんて……いったいどういう了見で?」 「詮索も不要よ。すべて忘れなさい、美味しい思いをしていたかったら」 「これは失礼いたしました」 それから間も置かずに単簡な挨拶を交わした後、女は闇の中へと消えていった。 闇の中で女が呟く。 「まったく、一時はどうなることかと思ったわ」 「あんまり純情なのも考えものね……まあ、それが長所なのかしら」 行動的でないヤンデレって難しいですね 自分はヤンデレと言えば猟奇性より情の深さが好きなのですが、それだと普通のイチャイチャと区別がつかなくなるかもしれない 感想 すれ違った二人だけど、最後に幸せになって良かった -- 名無しさん (2019-01-27 15 15 56) ヤンデレではないな、うん。 -- 名無しさん (2019-08-21 04 05 30) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/akitobr/pages/127.html
千葉紀梨乃と坊屋春道の二人は、氷川村を目指して歩いていた。 「トイレって言ってたんで、またお腹痛くなったのかと思っちゃいましたよ~」 「ああ、腹はもう大丈夫だ。キリノちゃんのくれた薬のおかげだな」 口の端を「んっ」と持ち上げ、猫の口のような形にさせながらそう言う紀梨乃に対し、 春道は腹をポンポンと叩いて答え、「はっはっはっ」と笑う。 正午に行われた放送の内容は二人に大きな動揺を与えたが、 春道がトイレだと言って紀梨乃と離れていた間に二人とも持ち直したようで、 今では、そんな風に他愛の無いやり取りが出来るようになっていた。 「…………」 それでも、ふと会話が途切れると紀梨乃の頭には剣道部の仲間達のことが浮かんできて、 言いようの無い不安が心を支配する。 (サヤ、タマちゃん、ミヤミヤ、ダンくん) 今回のプログラム、室江高校からは明らかに剣道部のメンバーが選ばれている。 そして、今回室江高から選ばれた全員の入部届けを書いた、又は書かせたのは紀梨乃だった。 (……サヤ、あたし、どうすればいいのかな?) 中でも、サヤこと桑原鞘子と紀梨乃は小学校以来の親友だ。 紀梨乃は心の中で親友に語りかけ、彼女ならどう返すか想像してみた。 (当たって砕けろだって、やるっきゃないよ!キリノ) そんな抽象的な、勢い任せの一言が返ってくる気がした。 「お、村が見えてきたぜ」 春道が、いつの間にかうつむいて黙り込んでしまった紀梨乃の気を紛らわせようと、 努めて明るい口調で、村が近い事を告げた。 「あそこにキリノちゃんの友達がいるといーな」 「ん~、そうですねぇ。早くみんなに会いたいっす」 笑顔を作って春道に答える紀梨乃だったが、心の中では先ほどの続き。 鞘子に言われた(気がする)言葉への返答を考えていた。 (そうだよね、やるっきゃないよね!) 一つ決心をして、紀梨乃は顔を上げた。その目に迷いは無い。 紀梨乃は「すぅぅ」と大きく息を吸い込み、剣道のかけ声の要領で大声を出した。 「サヤー! タマちゃーん!」 「おお!?」 突然の大声に驚く春道をよそに、紀梨乃は声を出し続ける。 「ミヤミヤー! ダンくーん! 聞こえたら返事してー!」 ■ ■ ■ 川田章吾の眠りは、本当につかの間のものとなった。 周防美琴が出て行ってからそれほどしない内に、女の声によって起こされたのだ。 「うっ……何だ?」 頭の痛みを堪えて、川田は耳を澄ます。 「ミヤミヤー! ダンくーん! 聞こえたら返事してー!」 聞こえてきた声は、周防美琴のものではない。 そしてその声は、段々大きくなってきている。 どうやら、川田のいる診療所に近付いて来るようだ。 (くっ、どうする?) 川田は、つかの間の睡眠によってほんの少しだけ戻って来た冷静な部分をフルに使って考えた。 (今はプログラムの最中、こいつは間違いない) 記憶が混乱していて前後がハッキリとは思い出せないが、 ここがプログラムの会場、殺し合いの舞台であることには違いない。 (近づいて来ているのは、女か。誰かを探しているみたいだが……) 近づいて来ているのは女の声だ。 声の様子から誰かを探しているようだが、殺し合いに乗っているかどうかは不明。 (くっ、頭が……こんな状態では……もし女が殺し合いに乗っていたら) 頭の痛みが強まった気がした。 今の自分はおそらく脳震盪を起こしている。本来なら、数日は安静が必要な状態だろう。 もし、声の主が殺し合いに乗っていた場合、今の自分では大した抵抗も出来ずに殺されてしまう。 (せ、接触は……避けるべき、か) 川田は、痛む頭で何とかそう判断するとデイバッグ他、荷物をまとめて裏口から診療所を出た。 「ぐっ……」 しかし、川田は診療所を出たところですぐに尻餅をついてしまい、裏口のドア付近の壁に寄り掛かって動けなくなってしまった。 安全を期すならもっと離れなければと思うのだが、もう体が言う事を聞かない。 やはり、安静にしていなければ駄目のようだ。 「みんなー、いないのー?」 そうしている内に、声の女が診療所に入って来た。 川田は何とかやり過ごそうと、壁に寄り掛かった状態で息をひそめる。 「あれ~?誰もいないの?」 女の足音が診療所内を移動する。 それに続いてもう一つ、別の足音が診療所内に入って来た。 「誰もいねーのか?」 「う~ん、こんな風に地図に載ってる場所だし、誰かいると思ったんですけどねぇ」 どうやら、男女の二人組だったようだ。 その後しばらく、二つの足音が探し人を求めて診療所内を動いていたが、 やがて、誰もいない事が分かったのだろう。足音が出入り口の方へ移動し始めた。 「やっぱ、ここには誰もいねーみてーだな」 「ですねぇ」 (そうだ、このままどっかに行っちまえ) しかし、そのまま立ち去るかに思えた足音の一つが、川田の思いに反して診療所を出る前に止まった。 「あ~、でも一応、裏の方も確認しときますね」 「そーか」 (な、なに?) 例の男女がそんなやり取りをしたかと思うと、足音(多分、女の方だ)がどんどん川田のいる裏口へ迫って来た。 (くっ、くそ……) 運を天に任せるのは川田の趣味ではないが、こうなってしまうと川田には足音の主が殺し合いに乗っていない事を祈る他なかった。 女がドアノブに手をかけたのだろう、裏口のドアがカチャリと音を立てた。 「おーい、紀梨乃ちゃん」 その瞬間、川田とは反対側、診療所の出入り口付近から男の声がした。 「ん? はーい、なんですか~」 開きかけた裏口のドアが戻され、パタパタと足音が遠ざかっていく。 そして、バタンと出入り口のドアが閉まる音がしたのを最後に診療所内から人の気配が消えた。 (……行ったか) 川田は大きくため息をついた。 ■ ■ ■ 「なんすか~?」 「なーキリノちゃん。あれ、使えそうじゃねーか?」 紀梨乃が診療所から出てくると、春道がやや興奮気味に診療所の向かいにある民家を指していたが、しかし紀梨乃にはそれが普通の民家にしか見えなかった。 「ん~?」 「向こうから来た時は気がつかなかったぜ」 どう反応していいか分からない様子の紀梨乃をだったが、春道はそんな事を言って民家へ駆けて行った。 「ちょっ…………ああ」 春道はその民家の前へ駆け寄ると、家の前に停まっていた原付スクーターをいじり始めた。 どうやら、春道が指差していたのはこちらだったようだ。 (そっか、乗り物があれば……でも、やっぱりカギが無いと動かないよねぇ。 あ、春道くんが家のドアの方に……そっか、家の中ならバイクのカギあるかな? でもドアの鍵が閉まってるみたいだねぇ。って、ドアを蹴破った!?) 春道のそんな行動を見た紀梨乃が唖然としていると、春道はすぐに民家の中から出てきた。 どうやら原付のキーは、玄関を入ってすぐの所にあったようだ。 そして春道が原付に差し込んだキーを捻ると、ブロロロと原付のエンジンが回り始めた 「おし! キリノちゃん、これに乗っていこーぜ!」 「え~、でも……」 原付に跨り、紀梨乃にも後ろに乗るように勧める春道だったが、紀梨乃は躊躇していた。 人の原付、ノーヘル、二人乗りなどに関しては、灯台で色々と物色した物を持ってきている時点で今更だが……。 「荷物も多いし、二人乗りは危なくないですか?」 もう少し荷物が少なければ問題ないだろうが、紀梨乃の言う通り、今は荷物が多く二人乗りは危険そうだ。 「ムムッ、そーか」 紀梨乃との二人乗りを断られた春道は少し残念そうだったが、 すぐに顔を上げてキョロキョロと辺りを見渡すと、エンジンのかかった原付をそのままに、 他の家の方へ走り出した。 「あ、また……ん~、まさか」 その家の横にも原付が止まっているのが見えた時点で、春道が何を考えているのか察しのついた紀梨乃はその場で待つ事にした。 案の定、しばらく待っていると春道が原付をもう一台調達して紀梨乃の所へ戻って来た。 「紀梨乃ちゃんの分、持って来たぜ」 「は、はぁ」 意気揚々と戻って来た春道の気持ちはありがたい紀梨乃だったが、一つ問題がある。 「でも、あたしスクーターとか乗ったことないですよ~」 無免許などはこの際置いておくとして、紀梨乃は今まで原付を運転したことが無かった。 「大丈夫だって、チャリと全然変わらねーからよ。チャリには乗れるだろ?」 「まあ、いつも通学で乗ってますけど」 「ならへーきだって。ちょっと乗ってみよーぜ」 「ん~分かりました、乗ってみるっす!」 軽いノリで勧めて来る春道に、紀梨乃の方が折れた。 それに、紀梨乃の方もまんざら興味が無いわけではない。 「ブレーキはチャリと同じな。で、右のグリップが……」 簡単に原付の乗り方を春道から教えてもらい、いよいよ紀梨乃は原付に跨った。 「それじゃ、行きますよ~……っとと、お、おおぉぉぉ」 紀梨乃が原付のスロットルを捻るとエンジン音が高まり、紀梨乃を乗せた原付が走りだした。 走り出すときだけ少しふらついた紀梨乃だったが、スピードが上がってくるとバランスを取り戻し、そのまま50メートルほど走った後Uターンして春道の所へ戻って来た。 「ウマイウマイ。な、簡単だろー」 「あはは、これなら何とか乗れそうですね」 少し走っただけだが、紀梨乃は春道に笑顔でそう答えた。 「それじゃ、紀梨乃ちゃんの友達探しに行こーか。まずは村ん中探してみるんだろ?」 「そうですね~。あ、でも南側はもうすぐ禁止エリアになるんで、探すなら北側ですね」 「よし」 そうして、二人は原付に乗って村の中を探索するのだった。 (二人乗りは駄目だったが、女の子とツーリングってのも悪くねーな。ムフフ) などと春道が考えていたかどうかは、神のみぞ知る。 十数分後。 「結局、誰も見つかりませんでしたねぇ」 村の北側を一通り回った紀梨乃と春道だったが、収穫はゼロ。 紀梨乃の室江高メンバーはもちろん、春道の鈴蘭高校の生徒も、他の学校の参加者とも、 誰とも出会わなかった。 「この村には誰もいねーのかもな」 「むぅ、仕方ないですね。それじゃあ、次の村に行ってみましょうか」 そう言って紀梨乃が地図を広げ、春道もその地図を覗き込んだ。 「次っつーと、この平瀬村か」 「はい。あ、でもここ、H-3が禁止エリアになるんですね。時間はまだありますけど」 今、紀梨乃達がいる氷川村と平瀬村とを最短距離でつなぐ道は、これから約二時間後に禁止エリアになる。 時間的には余裕があるが、もしもその場で何かあって動けなくなったらと考えると、その道を通るのは危険かもしれない。 「……ちょっと怖いし、まずこっちの鷹野神社に行って、それから回り込みませんか?」 「フム、紀梨乃ちゃんがそう言うなら、オレは構わねーぞ」 こうして二人は、鷹野神社を目指して原付を走らせるのだった。 【I-5 道/1日目 午後】 【千葉紀梨乃 @BAMBOO BLADE】 [状態]: 健康 [装備]: 短刀 、原付スクーター [道具]:デイバッグ、支給品一式、チャッカマンなどの雑貨数点、常備薬 [思考] 基本:殺し合いはしない。 1:室江高校のみんなを探す 2:そのために島を一周する。次は鷹野神社経由で平瀬村へ 3:春道は、信用できそうだと思っている [備考] ※春道から、加東秀吉以外の鈴蘭高校出身者の特徴を聞きました。 【坊屋春道@クローズ】 [状態]:健康 [装備]: ワルサーPPK、改造ライター(燃料:90%)、原付スクーター [道具]:デイバッグ、支給品一式、救急箱、缶詰、私物のタバコ、ワルサーPPKのマガジン [思考] 基本:キリノと仲を深める 1:キリノを守る 2:電話番号をもらう 3:できれば、その先も…… [備考] ※紀梨乃から、室江高校出身者の特徴を聞きました。 ■ ■ ■ 原付に乗って走り去る二人を、物陰から見ている男がいた。 彼の名は花澤三郎。 鈴蘭高校一年生で、春道の後輩だ。 「坊屋さん……」 花澤は春道が他の学校の生徒と行動を共にしているのを見て、やっぱりなと思った。 そんな気はしていた。 春道の性格なら、こんな殺し合いに乗ったりはしないだろうと、分かっていた。 だから、出来れば殺し合いに乗っている自分を見られたくなかった。 そして花澤は、春道に話しかける事も出来ず物陰に隠れてしまったのだ。 (また、殺せなかった……) せっかく伊藤真司を禁止エリアに置き去りにして覚悟を決めた花澤だったが、 あこがれの先輩である春道の連れを殺すことは出来なかった。 (……坊屋さん、オレはあなたとは別の道を行きます) 春道達が見えなくなると、花澤は春道が走り去った道をあえて反対側へ歩き出した。 (次こそは、次こそは殺す!) 心の中で自らを叱咤し、花澤は歩き続けた。 【H-7 焼場付近/1日目 午後】 【花澤三郎@クローズ】 [状態]:喧嘩のダメージ(中度) 疲労 [装備]:ショットガン(SPAS12) アーミーナイフ [道具]: デイパック・支給品一式、単車のキー、ランダムアイテム1(武器ではない) 結束バンドの束 [思考] 基本:仲間を生かして帰す 1:次こそは殺す、殺せる、ころせる……! 2:最低の男になってでも、仲間と生き残る 3:坊屋さん…… ■ ■ ■ 「くぅ、取れない!」 氷川村、J-6エリア。 木の根元で、周防美琴は伊藤真司の指に巻き付いた拘束を何とか解こうと悪戦苦闘していた。 この場所が禁止エリアになるまで残り数分。 しかし、伊藤をこの場に拘束している結束バンドは一向に外れない。 焦りばかりが募っていく、そんな時だった。 「なあ周防、何か聞こえないか?」 「何かって?……あ!」 バイクのエンジン音のような音が聞こえた気がして、伊藤が発した言葉に美琴が顔を上げ、そして気がついた。 確かにエンジン音は美琴も聞こえたが、今はそれどころではない。 美琴が気付いたのは、すぐ近くに民家が一軒建っているということだった。 「ちょっと待ってろ!すぐ戻る!!」 「あ、ああ」 そう言い残し、その民家へダッシュする美琴。 そして民家にたどり着くと、すぐさま中を物色した。 「何か、何か無いか!?……あった!」 そして美琴はごく普通のハサミを見つけると、すぐにそれを持って伊藤のもとに戻った。 ハサミを入れると、素手ではあれだけ苦労しても外れなかった悪魔の拘束がパチンと音を立ててあっけなく外れた。 「よし、伊藤、走れ!」 「え?」 伊藤の拘束を解いた美琴は、伊藤に肩を貸して立ち上がらせると、 戸惑う伊藤に、今まであえて言わずにいた事実を告げた。 「いいから走れ!ここはもうすぐ禁止エリアになるんだよ!」 「なに!?」 そうして二人は全力で走った。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 「ハァ、ハァ、ハァ……」 花澤三郎と殴り合った伊藤はもちろん、美琴も水を持って走ったりして疲れていたが、 二人とも、悲鳴を上げる体に鞭打って走った。 途中、美琴が一度見た口の開いたデイバッグが落ちていたが、 その場所がJ-6の外である保証は無かったため、それには構わず走った。 やがて、氷川村のもっとも南側にある道にたどり着くと、二人はそこに倒れ込んだ。 「はぁ、はぁ……、よし……ここまで来れば、大丈夫だ」 地図にあるエリアの境界には、実際に線が引いてあるわけではないので、 どこからが禁止エリアになるのか参加者には分からない。 しかし、美琴の記憶では道路にさえ出れば、そこはJ-6エリアではなかったはずだ。 「ハァ、ハァ、周防……俺を助けるために、危険を……」 禁止エリアの中に拘束されていた自分を、周防は命がけで助けてくれた。 伊藤はその事に感動し、尊敬の念を込めた視線を美琴に送っていた。 「そ、そんな、改まって言われると……照れるじゃねーか! ま、まあ気にすんな!!」 美琴は、照れ隠しに伊藤の背中をバンバンと叩いた。 「イテテテ」 それが花澤にやられた傷に触り、顔をしかめた伊藤を見て美琴は診療所へ伊藤を連れていくことにした。 残してきた川田の事も気がかりだ。 「悪い、大丈夫か?この先に診療所があるから、とにかくそこへ」 「ああ、分かった」 美琴は立ちあがると、再び伊藤に肩を貸して診療所へ向け歩き出した。 あのエンジン音はもう聞こえなくなっていた。 「ところで、さ。一体、誰にやられたんだ?」 少し歩いたところで、美琴がそれまで聞き辛かった話を切り出した。 美琴も遠目には犯人を見ている。伊藤を引きずっていたあの男。 伊藤とあの男は戦い、そして伊藤が敗れたのであろう事は、美琴にも想像がつく。 そのことで、伊藤のプライドは少なからず傷ついたはず。 しかし、今後の事も考えると聞かないわけにはいかない。 そして、聞くなら早い方がいい。 「……花澤とか言ったな」 「…そいつ、殺し合いに乗ってるんだよな」 「……だろうな。やり合ってた時には、そんな風に思えなかったんだが」 負けた喧嘩の事を女に話すのは気が引けた伊藤だが、美琴は命の恩人だし、 相手が殺し合いに乗っているとなれば、知っている情報は話しておくべきだろう。 そう考えた伊藤は、自分が分かる限りの事を美琴に話した。 「でも、なんで禁止エリアに置いて行くなんで方法を……」 「分からねーけど、大方、直接手を汚すのを嫌ったんじゃねーか?」 「くっそ……と、あそこだ、診療所」 花澤についての話が一通り終わったところで、二人は診療所にたどり着いた。 「あれ?川田?」 中に入ると、川田章吾の寝ていたはずのベッドが空だった。 「川田って?」 「ああ、話してなかったな。川田ってヤツをここに寝かせておいたんだ。 そいつ、怪我しててさ。動ける状態じゃなかったはずなんだけど……」 そう言って、美琴達が診療所の中を見渡していると、裏手の方から声がした。 「こ、こっちだ……」 「……川田?」 美琴が診療所の裏口を開けると、外に川田がデイバッグを抱えて座り込んでいた 「川田、どうして?」 「……他の、誰かが、来て……隠れた」 「そうか、分かった。とにかくベッドへ行こうな。これからはアタシが見張ってるから」 「ぐっ」 美琴は川田に肩を貸して元のベッドへ連れて行くと、まだ調子の悪そうな川田を寝かせた。 ベッドに横になると川田は目を閉じ、間もなく寝息をたて始めた。 やはり、まだ起きていられる状態ではなかったようだ。 「そいつが川田か」 「ああ、頭を強く打ってるみたいなんだ」 「そうか、可哀相に」 まさか、自分の投げたバットが命中したとは露ほどにも思わない伊藤がそんな事を言う。 「さてと、伊藤の方も手当てしないとな。ここなら包帯とかもあるし」 そんな伊藤に対し、診療所内にある薬などを確かめながら美琴が言った。 「それじゃあ伊藤、服脱いでくれ」 「え?」 【I-7 診療所/1日目 午後】 【川田章吾@バトル・ロワイアル】 【状態】後頭部に強い打撲 発熱 眠っている 【装備】金属バット 【道具】デイパック、支給品一式 タバコ コンドーム一箱 鍋のふた 【思考】 基本:自分の記憶の破綻に気づき、混乱している 1:頭が痛い痛い痛い 2:おれはだれなんだ 3:けいこ 補足: 川田は放送のため、自分の記憶の破綻に気づきました。そのため、自分が何者なのか、 ここがどこなのか、わからなくなっていますが、少なくともプログラムに参加している事は理解しています。 今は若干落ち着いて眠っていますが、次に目覚めたときに元の川田に戻れるかどうかは わかりません。 【周防美琴@スクールランブル】 【装備】: 【所持品】 支給品一式、ロープ 【状態】:拳に軽症、疲労 【思考・行動】 基本:仲間を探す。襲ってくるものに容赦はしないが殺しはしない 1:伊藤の手当てをする 2:川田の様子が気になる 3:同じ学校の仲間を全員探したい 【伊藤真司@今日から俺は!】 【装備】: 【所持品】 【状態】:全身打撲(右腕の打撲は特に重傷)、拳に軽傷 【思考・行動】 基本:全員助ける。手段等は人を探しつつ考える。 1:脱ぐの……? 2:人は絶対に殺さない 3:マーダーに会っても根性で説得
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/768.html
卒業式。彼女は、思い切り泣いた。 泣きはらして、泣きはらして、笑顔になって。 別れを惜しみながら、それでも強く笑って。 そして、中野梓は、高校三年生になった。 「…やっぱり、似合ってないなぁ」 携帯を眺めながら、改めて梓は苦笑した。 先日執り行われた、先輩たちの入学式の画像が添付されていた。慣れないスーツ姿で、4人は思い思いに写っている。 澪は、緊張のあまり固すぎる顔。紬はさらりと着こなしている。律は……窮屈そうだ。 そしてもう一人は、致命的に似合ってない。ミスマッチにも程がある。 これが卒業アルバムの予行練習のような済ました顔だったら、まだ格好もついただろうに、いつもどおりの奔放な表情で写っていて、それがおかしくてたまらない。 「ぷっ、くく…」 抑えた笑いが、がらんとした部室に響く。 と、きぃ、という音がして、音楽室のドアが開かれた。 「…あの、中野先輩、どうかしたんですか?」 「ううん、なんでもないよ。入って入って」 はぁ、と怪訝そうな声を漏らしつつ、彼女は後ろ手にドアを閉めた。今年から軽音部に入部した、正真正銘の後輩である。まだ整っている皺の少ないブレザーが初々しい。胸元にアクセントとして彩られたリボンの色は、青色だ。梓にとってそれは先輩の色だけれど、むしろ彼女たちからすれば、赤こそが先輩の色なんだろう。そんなところで、時がめぐったことを実感してしまう。 「すいません、HRが長引いちゃって」 「大丈夫。それじゃ、練習はじめよっか」 幸いにも、新歓ライブでの梓の演奏は新入生の心を捉え、4人の新入部員を迎えることで今年も軽音部は継続されている。放課後ティータイムではないけれど、学園祭でもまた演奏することになるだろう。順風満帆と言ってもよかった。今ではジャズ研を引っ張るメンバーである純に、「あー残念、あたしが入れば百人力だったろうに」だなんて茶化されたけど。 その後輩の一人は、梓と同じギターの担当だ。どこかの先輩とは違って、入学前から音楽に触れていたようで、教えるにしてもやりやすい。フェルマータやフォルテッシモといって、そうですね、と素直に相槌が返ってくるのはなかなか新鮮だった。 まぁ、流石に腕前はまだまだだけれど。きっと上手になるだろう。 しばらく練習をして、少しの間長椅子に座って休憩をする。言葉少なだ。 そりゃ、センパイたちとのようにとは言わないまでも、もう少し賑やかでもいいんじゃないかなとは思うのだけれど、2年の年齢差は高校生にとってそこそこ大きい。互いになかなかきっかけがつかめないで休憩時間が終わってしまうのが常だ。それが梓の目下の悩みである。 けれど、今日は珍しく彼女のほうから話しかけてきた。 「あ、あの」 「……どうしたの?」 嬉しそうに返す梓に安心したのか、彼女は微笑んで言った。 「中野先輩って、ギター教えるの上手ですよね」 「そうかな。だったらいいんだけど」 「こう、すーって入ってくるんです。音と指とが離れてなくて」 「ありがと。…昔ね、」 手のかかる先輩がいたんだよ。先輩なのに、私に教えてって頼んできて、 ――そう言おうとして、やめた。 いきなり黙りこくってしまった梓を彼女は不思議そうに伺っている。私もそこでよく躓いたから、と梓はごまかした。結局その後会話はあまり弾まなかったけれど、いつもより少しだけ和やかな雰囲気になった休憩の後、再びギターをかき鳴らして、その日の部活は終わった。 校門で、彼女に向かって手を振る。いずれの後輩とも梓は別方面だ。部活の後、たいてい彼女は一人で帰路につく。 先輩らしく振舞えているだろうか。もしやめるなんて言われたらどうしよう。不安は常に付きまとっている。特に、今日は来ていない3人の後輩たち。塾や都合などで、毎日部室に来るというわけにはいかないようなので、尚更がんばらないと。 後輩と別れた帰り道、梓はいつもそう考える。 だけど今回ばかりは、少し余計なことまで浮かんでしまった。 意外なことに、卒業してから一番メールを送ってきたのは律だった。澪や紬との写真を 添えて、律らしい冗談と絵文字が踊る明るい文面に隠された後輩への気配りを、梓は十分 に感じ取っていた。次いで澪、紬である。どれもこれも、自分への思いやりがこもってい て、それだけで梓は胸が一杯になる。 部室に寄っていいか、なんて提案も度々あったけれど、せっかくの練習を邪魔しないで ください、なんて断ってしまった。律や澪や紬だって、新たな環境で忙しいはずだ。ただ でさえこれだけ気にかけてもらっているのだから、これ以上煩わせてしまっては申し訳な い。……あの人はまじめすぎると笑うだろうか。梓は苦笑する。 ……あの人。 あの人からの、最初は頻繁だったメールが稀になったのはいつからだろう。唐突にかか ってきた電話が来なくなったのはいつからだろう。寂しいと思う心とは別に、どこかで納 得している梓がいた。 新しい場で、これまでの親友と、これからの親友と、精一杯楽しむことに忙しいのだろ う。きっと、4人のうちで、一番。彼女はそういう人だから、と、すとんと飲み込めた。意 外なことに。 それは、梓が3年生になってから、理解したものだった。梓にとって、学校とは軽音部で あり、放課後ティータイムのことだった。そのことでいっぱいいっぱいだった。 けれど、それだけではない。受験もある。毎日は、放課後だけではないのだ。時間が、 生活が迫ってくる。それを身をもって実感したから、梓はあの人のことを責めようとは思 わなかった。むしろ感謝すら覚えた。こんな日々の中で、去年の先輩達は、あの人、あれ だけ時間を割いてくれたのだと。 別に、二度と会えないわけじゃない。憂に訊けば、喜んで近況を話してくれるだろう。 だけど、いやだからこそ、梓はあえてその話をしないことに決めた。 もう、いっぱいもらったのだ。抱きしめてもらって、名前を呼んでもらって。卒業式で は、泣きじゃくった自分を受け止めてもらって。 もう十分だ、と。そう思えてしまうことも含めて、満足していたから。 だから、今日の後輩からの話題は、不意打ちだった。 ○ 翌日。運悪く、後輩は全員来れないとのことだった。こういう日もある、どうしようか と悩み始めたときには、すでに梓の足は鍵を借りに向かっていた。一度習慣になってしま うとなかなか抜けないものだ。たとえ一人であっても。 きぃ。ドアを開けるときの音がいつもより遠くまで音が響いた気がした。閉めるときの 音も。がらんとした部室。ホワイトボードでは、…まだ隅っこのほうに残っている独創的 なセンスの落書きが消えかかっていた。本当にあのセンスはわからない。書きなおそうに も再現しようがない。 一息ついて、長椅子に座る。いざ来てみたはいいものの、やはり一人だけとなると何を する気も起きない。黒板に引かれた五線譜を眺めながら、ただ座っている。 ――広い。この部屋は、こんなに広かっただろうか。 かつて感じたその感覚を、しばらくぶりに梓は味わっていた。このごろは後輩がいたお かげで心の底に沈んでいたそれは、やっぱり痛切で、今すぐにでも誰かにすがりたくなる ものだった。 頭を振る。自分で決めたことだ。頼ってばかりもいられない、もう最上級生で部長なの だから。頼られる立場なのだから。繰り返し繰り返し唱えてきたその言葉を、寂寥感を押 し流すように梓は繰り返す。ブレザーの袖を握り締めながら。ごくり、と飲み込んで、梓 はようやく顔を上げた。 トンちゃんの水槽の掃除でもしようか。ようやく意識に上ってきたことに梓は申し訳な くなった。「でも」ってなんだ、でもって。ごめんね、と小声でつぶやきながら、慣れた 手つきでバケツに水を注ぐ。洗面台。鏡。隅に貼ってある剥がれかけのハートのシール。 反射的に目を逸らした。遅かった。 『中野先輩って、ギター教えるの上手ですよね』 『あずにゃん、ギター教えて!』 ……ほら。 『かわいいでしょー、最近はまってるんだー』 『いっぱい食べて大きくおなり』 ……ほら。 『あずにゃんは難しいことを考えるんだねー』 『だって、あずにゃんはあずにゃんだもん』 ……ほら。 『私はいっつもあずにゃんのことばっかり考えてるよ』 ……うそつき。 いつの間にかバケツから水が溢れていた。慌てて蛇口を閉める。水浸しだ。拭かないといけない。 ○ どうしてここまで弱いんだろう。 どうしてここまで脆いんだろう。 部長なのに。三年生なのに。もう、後輩じゃないのに。 最近、「梓」と同じくらい、「中野先輩」と呼ばれるのに。 もう、「あずにゃん」なんて、呼ばれないのに。 ○ 家に帰ると、梓は自室に逃げ込んだ。 制服のまま天井を眺める。 どうして、と問いかけても、答えは一向に出てこない。どうすればいいのかわからない。 自分の中で、整理をつけたつもりだった。割り切って、しっかりと固めていたはずだった のに。些細なきっかけで決壊してしまった、この気持ちはなんなのだろう。 一通り泣きはらして、表面上は落ち着いてはいる。しかし疲れ果てていた。 手元にある携帯電話を操作する。受信メール。先輩達の、似合わないスーツ姿。もう笑え ない。呆けながら、ただその画像を見つめている。 ……わがままな子、なんだろうな。 なにも、無視されたわけじゃない。忘れられたわけじゃない。ただ、近頃連絡が減ってき ただけ、なのに。それだけで勝手に遠く感じて、自分で納得したふうを装って。挙句の果て に、ちょっとしたきっかけですぐ決壊してしまった。 ……そんなの、卒業式のときと、何も変わらないじゃない。 あの時の絶望とは、違うのだ。まるで広い世界に自分ひとりだけが取り残されてしまうよ うな、切羽詰った状態ではない。繋がっている。だから、余計にわからない。 無機質な画面に映る、不恰好なあの人の姿を見て、こんなにも弱ってしまう。文字じゃな くて、画像じゃなくて、声を聞いて、抱きしめて欲しくて。 ……会いたくて。 会いたい。心の中で言葉にして、それは明確なものとなった。会いたい。会いたい。あの 人に会いたい。名前を呼んで欲しい。梓でもなくて、中野先輩でもなくて、あずにゃんと呼 んで欲しい。あの人がつけてくれた名前で、あの人の声で、……唯センパイの声で。 唯セ ンパイ。 受信ボックスを遡る。まだログに残っているかどうか不安だったけれど、過去になるにつ れ、名前欄は「唯センパイ」で埋まっていった。あの人らしい、どこからもってくるのかわ からないのにしっかり刺さってくることば。並ぶ「あずにゃん」の文字。 ……思えば、いつも、センパイとは、こうだった。 合宿のときも。学祭のときも。修学旅行のおみやげも。園芸大会のときも。夏祭りのとき も。シールのときも。最後のライブのときも。卒業式のときも。 こうやって、自分で考え込んで、袋小路に陥って、取り乱して。そんな時、いつも手を引 いてくれたのは、あの人だった。 手のひらの感触を思い出す。少し自分より大きくて、暖かくて、こっちのことなんかお構 いなしの、あの手。引いてもらってばっかり。 ……思い出すにつれ段々癪になってきた。どうしてこうも毎回毎回振り回されてばかりなの か。茫漠とした悲しみの水面に、会いたいという石が投げ込まれて、波紋を形作っていく。 置き捨てたスクールバッグに目をやる。まだしっかり繋がっている、「ぶ」のキーホルダー。 裏に張ってある、「なかのあずにゃん」のシール。 今回ばかりは。 梓は体を起こす。ふう、と一息。先ほどとは違った、意思の篭った一息。 もう三年生になったのだから、いつまでも手を引かれているわけにも、いかない。 だけどそれは、手をつないではいけないということではなくて。 手を引っ張っていってもいいんじゃないかと。 携帯電話のボタンを3回押した。 「……」 『あ、もしもし?あずにゃん?』 「――っ、私以外の、誰だと思ったんですか」 『あー、あずにゃんだぁ!』 「……そうです。あずにゃんです。唯センパイ、最近どうしてメールも電話もしてくれないんで すか。私、寂しくて、」 『わたしもさみしかったよ!』 「じゃ、じゃあ、どうして、」 『あずにゃんがメールも電話もくれないんだもん』 「……それは唯センパイが、」 『だって、あずにゃんもう三年生だから、部長だから』 「……っ」 『迷惑になっちゃいけないかなって、それでね、我慢してみたら、』 「……」 『全然メールも電話も来ないんだもん……』 「そ、その……」 『だから!すっごくさみしかったよ、あずにゃん!』 「わ、私もすっごく寂しかったんですよっ、なのになんですか、そんな理由、」 『あずにゃんずーるーいー、お互い様だよーこれはー』 「うっ……それは」 『ごめんなさい』 「……ごめんなさい、です」 『じゃあ、いまからあずにゃんの家に行っていい?』 「……いいですよ」 『わーい!待ってて、すぐ行くから!』 「はいっ」 ○ 結局事が終わってみれば、互い違いのすれ違いで。 やっぱり、唯センパイは唯センパイだった。 ○ 「中野先輩、ギター教えるのやっぱり上手ですよ。秘訣とかあるんですか?」 「えへへ。昔ね、先輩のクセに私よりギターが…あ、電話」 『もしもしー、あずにゃん?』 「今、部活真っ最中なんですけど」 『えー、だって電話しないとあずにゃん怒るじゃーん』 「だからあれは唯センパイが、……っ」 なるほどね、という視線を感じて恥ずかしいけれど。 「……あと五分だけですよ」 このくらいは、いいじゃない? こういうのいいな、素晴らしい -- (名無しさん) 2010-08-31 05 47 33 唯先輩が変わってなくて本当によかったー -- (名無しさん) 2010-08-31 23 44 29 「互い違いのすれ違い」っていうタイトルにセンスを感じた。いい。 -- (名無しさん) 2010-09-03 21 37 33 いいね -- (名無しさん) 2015-02-06 21 33 46 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/691.html
~キョン視点~ 本日は晴天なり。今は午後の市内探索だ。 俺はハルヒと二人きりで街を練り歩いている。 今日のハルヒはやけにご機嫌のようだ。草むらの中、河原、住宅街辺りをくまなく歩き回り俺の足を棒へと変えようとしている。 だが、俺はこいつといるそんな日常が大好きだ。 「キョン。少し休むわよ、そこに公園あるし!」 やれやれ、やっと休めるぜ……。 「あたしは先に休んでるからあんたは何か飲み物買って来なさいよ!」 ……こんな事を言ってくるが、俺はそんな傍若無人なハルヒが好きだった。 「おっそいわよ!あたしはこっちね!!」 と言って、俺の手にあるウーロン茶を奪った。 「おいおい、そりゃ俺のだ。お前のはこっち……」 言い終わる前に栓を開けて、口を付けていた。 「うんっ!冷たくておいしっ!……なんか言った?」 俺はしょうがなく、手に残ったオレンジジュースの栓を開けて、飲むことにした。 冷たいが、渇いた喉には少ししつこい100%オレンジだ。 「ねぇ、キョン。…少し交換しよっか?」 なんだ?いきなり。……まぁ、俺としてはそっちを飲みたかったわけで助かるのだが。 俺はハルヒからウーロン茶を受け取り、口を付けた。 「あんた……間接キスよ、それ。」 ブフッ!! 「あはははは!動揺して噴いちゃった?あんた気にしすぎよっ!!」 ハルヒはそう言うと、けらけらと笑いながらもオレンジジュースを口に含んだ。 「んっ!おいし!」 まったく……今日のこいつのテンションはやたらと高すぎるぞ。 ハルヒはベンチの上に立ち上がって、遠くを見始めた。 ちなみにこの公園は高台になっていて、上から街を見下ろせる良い風景になっている。 「ん~っ!風が気持ちいいわ!!……ねぇ、キョン。あたしね、こんななんでもないけど楽しい時間が続くことがうれしいかも。」 ハルヒは遠くを眺めながらそんなことを言いだした。いつも不思議な事、怪しい事とか言っているハルヒらしくない物言いだ。 「じゃあ、あれか?もう不思議やら宇宙人やらは用無しか?」 こっちを振り向き、俺に指を差してきた。 「それとこれとは別よっ!…だけどねあんた達とならこんなのも悪くないなって思ったの!」 そう言うとまたハルヒは遠くを見始めた。 その横顔は綺麗で、見ている俺は不思議と目を離せなかった。 「まぁ俺はどんな状態のお前でも好きだけどな。」 小声で呟く。 「え?今……なんてったの?」 ハルヒが顔を無駄に近付けて聞いてきた。こりゃ近すぎるぞ、唾が当たってる。 「な、なんでもねーよ。ほら、時間だ、戻るぞ。」 恥ずかしさに赤らむ顔を背けて、俺はベンチから立ち上がって歩きだした。 「こら、逃げるなっ!待ちなさいよ!!」 後ろから走って追いかけて来るハルヒの足音を聞きながら、俺は『こんな時間を続けれたら幸せだな…』とか思いつつ、喫茶店へと向かった。 次の日、授業中に窓からの素晴らしい陽射しを浴び俺はウトウトと言うより、熟睡に近い状態で3限から4限を消化していた。 「……痛っ!」 反射的に声をだしたが、授業中だったのでそのまま軽く寝たフリ。 しばらく経ったあと、原因の後ろの席を振り向いた。 「まったく…なんなんだよ、今度は。」 ハルヒは悪びれもせずに答えた。 「ちょっと用事があるからさ、昼ご飯食べたら屋上に来てくんない?……てゆーか来なさい、絶対だからね。」 ほんとになんなんだ?こいつが俺を呼び出して話なんて珍しすぎるにも程がある。 俺は4限の残りの授業を窓の外を眺めて過ごし、谷口と国木田と一緒に飯を食べ、屋上へと向かった。 屋上へ向かう前に、俺はウーロン茶とブラックのコーヒーを買った。 ……そういえば、昨日のあれ聞こえてたのか?聞こえてたらメチャクチャ恥ずいな。 まぁ、いいか。 なんなら今からでももう一度言ってやるさ。 俺は3階から屋上へ向かう階段を登った。 人の気配がする……ハルヒか、待たせたら死刑だよな。 俺が少し駆け足気味で階段を登ると……そこには顔を赤らめて古泉に抱かれているハルヒがいた。 ~ハルヒ視点~ もうキョンは来てるかな? 昨日あたしは公園でキョンが言った言葉を思い出して、ウキウキしていた。 『まぁ俺はどんな状態のお前でも好きだけどな。』って言ったはず、たぶん聞き間違いじゃない。 ほんとにキョンがあたしの事好きなら付き合ってくれるわよね? もう精神病にかかってもいいわ。……キョンと一緒ならそれで構わない。 そんなことを考えつつも、あたしは階段を登って行った。……誰か、いる?もうキョンが来たのかな……不覚を取ったわ。 そこに居たのは、我がSOS団、副団長の古泉くんだった。 「こ、古泉くん!?なんでこんな所に!?」 「おや、涼宮さん。奇遇ですね。」 あたしは階段を登り、古泉くんに近付いた。古泉くんはあくまでも笑顔で続けた。 「実はですね、此処の景色はとても良いのでたまにですが息抜きに来るんですよ。」 そうなんだ。 ……じゃあ、あたし達が邪魔しちゃ悪いわね。 「じゃあ、あたしは邪魔しちゃ悪いから行くわ。」 「それは残念ですね。それより、涼宮さんも何か此処に用事があったのでは?」 ま、マズい。キョンを呼び出したなんてバレたらなんかマズい気がする。 「な、なんでもないわ!そ、それじゃっ、古泉くんまた……キャッ!」 あたしは階段から足を踏み外した。ヤバい、落ちる! ……………って、あれ? 「危ない所でしたね、気をつけてくださいよ。」 古泉くんの声が耳のすぐそばから聞こえてきた。どうやら、古泉くんに抱き留められて助かったみたい。 「あ、ご、ごめんね?」 古泉くんはニッコリと微笑んで「良いですよ。」と答えた。 その顔は、とてもかっこよくてあたしの顔が赤くなるのがわかった。 カンッカンッ! ……なんの音かしら、何かが落ちた音? あたしが目を向けると、そこにはキョンがいつも飲んでいるコーヒーと、あたしが昨日飲んだウーロン茶が落ちていた。 嫌な予感がした。…まさか、キョンが来てた? 「ごめん!古泉くん、また放課後ねっ!!」 あたしはジュースを拾い上げ階段を駆け降りて行った。 しかし、何処にもキョンの姿を見つける事が出来なかった。 …別の人だったのかな。うん、たぶんそうだわ。 予鈴がなり、あたしが教室に戻るとキョンは自分の席に居た。 「あ、悪いな、ハルヒ。岡部に呼び出しくらって行けなかったんだ。」 よかった…やっぱり、キョンじゃなかったんだ。 「まったく…しょうがないわね!また、部活の後でいいわ!!」 心の中の心配を悟られないようにいつものあたしの声で答えた。 「……あぁ、わかったよ。ハルヒ、それ……?」 キョンが指をさした先には、コーヒーとウーロン茶を持っているあたしの手があった。 「あ、こ、これっ?これはね……「俺が来た時用に準備しててくれたのか。…まぁ飲まないのは勿体ないから貰っとくよ。」 と言って、あたしの手からコーヒーを取り机の端っこに置いた。 「……二倍がえしを期待してるわよ。」 そう言うと、自分の席に座って窓の外を見る事にした。 放課後、あたしは掃除当番だった。キョンは先に部室に行っている。 部活の後、キョンにどんな言葉で告白しようかな…。 そんなことを考えながらも素早く掃除を終わらせ、早足で部室へと向かった。 静かな旧校舎なある部室。 あたしは一目散にSOS団の部室に行き、ドアを勢いよく開けた。 「みんなっ!げん…き……」 あたしは目を疑った。 ドアを開けたあたしの見た物。それは、俯いて頭を抱えて座っているキョンと、後ろから何かを言いながらキョンを抱いていたみくるちゃんの姿だった。 「は、ハル…ヒ?」 「す、すす涼宮さん!?」 そんな二人の声を背中に受けながら、あたしは部室のドアを閉めて出ていった。 ~キョン視点2~ あ~、なんだってんだ畜生。ハルヒに呼び出し食らったと思ったら、あんなシーンを見せられるとはな。 正直、精神的に効いた。朝倉に刺された時より効いたかもしれん。 まぁ、俺が一人で舞い上がって勘違いしてたんだろうな。……恥ずい。 でも、あんなのを見せられた後でもまだハルヒの事を想っている俺がいた。 なんらかの拍子にあの状態になったとか……実は古泉が無理矢理抱いたとか……。 その辺はハルヒの態度を見れば分かるよな。 予鈴が鳴る。 ハルヒが俺が買ったコーヒーとウーロン茶を持って教室に入ってきた。 そういえば、あまりのショックに落としたのも気付かなかったのか。 「あ、悪いな、ハルヒ。岡部に呼び出し食らって行けなかったんだ。」 こんな感じなら不自然はないだろう。顔も引きつってない、たぶんいつもの顔が出来てるはず。 「まったく…しょうがないわね!また、部活の後でいいわ!!」 ハルヒは普段通りの顔で返事をしてきた。 見られた事に気付いてないのか?……それより、隠そうとしてるんじゃないか? 俺の頭の中に、不信感が渦巻いてくる。しかし、このまま普段通りの自分を演じなければいけない。 「……あぁ、わかったよ。ハルヒ、それ……?」 俺はハルヒの持っている飲み物に強引に話題を変えた。……そうでもしないと自分が保てそうになかった。 「あ、こ、これっ?これはね……「俺が来た時用に準備しててくれたのか。…まぁ飲まないのは勿体ないから貰っとくよ。」 ハルヒの口から出る言葉を遮り、コーヒーを取った。 何故なら、ハルヒが嘘をつくであろう事が何故かわかったからだ。 「……二倍がえしを期待してるわよ。」 もともと俺が買ってきたやつだ。やっぱり、こいつは古泉と抱き合ってたのを俺に見られてないと押し通そうとしてる。 何でだ、何でだよ。 やっぱり俺は一人で舞い上がってただけなのか? そこからは、午後の授業にまったく身も入らず、淡々と放課後になるのを待った。 部室の前、俺は一人で来ていた。いつもは横にいるハルヒは今日は掃除当番らしい。 ノックをする……返事は無い。どうやら長門だけか。 長門なら、話聞いてくれるよな……。 「うぃ~す。」 俺がドアを開けて中に入ると、長門は本を閉じた。 「おいおい、まさかもう帰るのか?」 俺が尋ねると、長門は少し頷いた後答えた。 「そう。あなたは、いま精神がとても昂っている。何かのいざこざを誰かに聞いてもらいたがっている。」 お見通しかよ。 「わたしが聞いてもろくに返事を出来ない、あなたを怒らせるだけ。」 俺は心の中を全て読まれたことに逆上したのか、少し声を荒げて言った。 「長門、今日は少し口数が多いな。俺を避けたいのか?」 「その態度、それがあなたらしくない。……わたしは帰る。」 そう言うと長門はドアに向かい歩き出した。 それを俺は壁に押しつけて止めた。 「何でだよ!話くらい聞いてくれたって……「……苦しい、離して。」 長門のあくまでも平坦で、冷静な表情と声。 瞬間、俺は正気を取り戻した。 「あ……、長門…悪い…。」 「……いい。また、明日。」 そのまま、長門は出て行った。俺は一人椅子に腰掛け頭を抱えた。 俺は最低だ。一人で勘違いして舞い上がって、八つ当たりまでしちまった。 誰かに殴られたいくらいの気持ちだ。 「キョンくん?どうしたんですか?」 気がつくと、朝比奈さんが目の前に居た。どうやら俺は入って来たのにも気付かなかったらしい。 「俺…ダメな人間ですよね。心は狭いし…長門にも八つ当たりなんてしちまったんです……。」 そこまで言うと、俺は再び顔を手で覆いうなだれた。 すると、暗闇の中で後ろから暖かい感触。 「大丈夫です。……何があったのかはわからないけど、きっとみんなわかってくれますから。」 バンッ!!! 「みんなっ!げん…き……」 「は、ハル…ヒ?」 「す、すす涼宮さん!?」 ハルヒは何も言わずにそのまま出て行った。 「ごめんなさい、朝比奈さんっ!!」 俺はすぐに追いかけて、ハルヒの肩を掴まえた。 「……何よ。」 俺は何て声をかければいい?勢いだけで飛び出したから言葉なんて考えてなかった。 「ち……違うんだ!」 こんな稚拙な言葉しか出ない自分の頭がうらめしい。 「何が違うのよ。あたしはあんた達が何してようと知らないわ。……昼休みだって、来てくれなかったし。」 「あ、あれはなっ!……」 先に言葉が続かない。しかし、このままハルヒを諦めたくない。 「あれは何よ。あんたなんか……あんたなんかみくるちゃんとベタベタひっついてデレデレしてればいいのよ、バカキョン!」 さすがにそこまで言われて黙っていれる程、俺はヘタレじゃなかったらしい。 思考を経由せずに口が勝手に動き出した。 「なんだよ…それ。お前だって……俺を呼び出しといて古泉と抱き合ってたじゃねーか!!」 「っ!!あんた……見てたの?」 ハルヒはかなり動揺した顔をしていた。しかし、俺はそのままの勢いで言葉を継いだ。 「その後も何もなかった様に振る舞いやがって……お前はあのシーンを俺に見せたかったが為に俺を呼び出したのか!?ふざけるな!!俺が……俺がどんだけお前の事を……。」 俺は言い終わらない内に、走って部室棟から出て行った。 ~ハルヒ視点2~ キョンには、全部バレていた。 あたしが古泉くんに抱き留められた事、その後のキョンに嘘をついて隠していたこと……。 それでも、キョンは我慢して昼休みまではあたしに変わらず接してくれていた。 みくるちゃんとキョンがイチャついていないのだってわかっていた。あれは多分落ち込んでたキョンをみくるちゃんが励ましてたんだと思う。 それを…キョンの優しさをあたしがほんの少しの嫉妬と苛立ちで台無しにした。 ……一番悪いのはあたしじゃない。キョンも、みくるちゃんも、古泉くんも何も悪くない。 全部あたしが悪いのに…。 部室から無言で去ったあたしをキョンは追いかけてくれた。あたしは……あたしはキョンを追いかけて良いのかな? そんな資格……ないかな。 部室棟の廊下の真ん中に立ち尽くしていると、みくるちゃんが目の前に来た。 「あ、あの…涼宮さん。話だけでも……聞いてくれませんか?」 頷いて、二人で並んで部室に入った。 団長席ではなく、さっきまでキョンがうなだれていた椅子に座っていると、みくるちゃんがお茶を持って来てくれた。 「ありがと…。」 声に元気が出ない、キョンにキツく言われて参ってるみたい。…自業自得だけどさ。 「涼宮さん、よかったら先に何があったかだけでも……聞かせてもらえませんか?」 あたしは、昨日の探索から、今日の昼休み、そして今の会話まで全てをみくるちゃんに打ち明けた。 「ごめんなさい……、わたしがあんな事しちゃったせいで……。」 「ううん、みくるちゃんは悪くないわ。あたしが勝手に勘違いして、イライラしてあんな態度取っちゃったんだもん。……でも、よかったらキョンに抱きついてた理由、教えてくれない?」 そこであたしが聞いた事は少なかった。 みくるちゃんが来た時にはキョンはあの状態で、有希に八つ当たりした事で凄く自己嫌悪をしていたという話だった。 「だから…ちょっとだけ、支えてあげようと思ったんです…。」 みくるちゃんはキョンの心配をしていた。もちろん、あたしが原因であんな風になったキョンを。 話を聞き、全てを頭で整理するとあたしの頭を渦巻く自己嫌悪。 何でこんな風になっちゃったんだろ。 あたしはキョンが好きで、キョンもあたしが好き。……いや、キョンはあたしを好き《だった》になったかもしれない。 まだ……取り戻せるかな?いや、取り戻したい。キョンとの楽しい時間を、あたしが最高の笑顔を見せることが出来る時間を。 「みくるちゃん、ありがと。……あたし、キョンと仲直りしてくる。たまにはあたしから謝るのもありよねっ?」 あたしの問い掛けにみくるちゃんは頭をブンブンと振って反応した。 「は、はいっ!素直が一番ですっ!」 そんなみくるちゃんに笑顔で別れを告げて、あたしは駅前公園に向かった。 キョンを呼ぶためにメールを打つ。 《よかったら、話を聞いて。駅前公園で待ってる。……ずっと、待ってるから。》 あたしは送信ボタンを押すと、携帯をポケットにしまい、早足で駅前公園に向かった。 午後22時、駅前公園。 あたしの座っているベンチは、一人あたしだけしかいない。 何で来てくれないの?もう、元には戻れないの? 目からは、涙が滲んできた。制服の袖でそれを拭い、あたしは呟いた。 「早く……来なさいよ、バカ。」 「…バカで悪かったな。」 後ろを振り向くと、そこにはコーヒーとウーロン茶を持ったキョンがいた。 ~キョン視点3~ 我ながらマヌケだ。 勢いに任せて走って行ったのはいいが、完全に鞄の存在を忘れていた。 夜19時半の旧校舎。 さすがに誰もいないし、野球部ですら片付けを始めていた。俺は誰もいない部室に入り鞄を取り、すぐに外へ出た。 校門を出て、ハイキングコースの様な道を歩いて下る。今日あった出来事が頭の中で反芻され、肉体的にも、精神的にも辛くなる。 ふと、大きめの石を見つけ蹴ってみた。坂道をコロコロと転がり、勢いを緩め、止まった。 だからと言って何かがあるわけでもないが、俺はそれを見て早歩きで下りだした。 ……腹が減ったからな。 歩きから、自転車へ。 脇目も振らずに俺は家へ向かった。 知り合いとすれ違ったかもしれん。だが、今は一刻も早く休みたい。 そんな思いが通じたか、信号待ちをすることもなく素早く家に着いた。 まず、食事。次に、走り過ぎてかいた汗を流すために風呂。そのようなプロセスを経て、俺はようやくベッドに寝転がった。 今日はいろいろあったな……。ハルヒに呼び出され、嫌なシーンを目撃して、長門に……長門!! 謝らなくちゃいかん、だいぶ落ち着いた今なら話してくれるはずだ。 そう思い携帯を開くと、新着メールが一件あった。 From《涼宮ハルヒ》 本文《よかったら、話を聞いて。駅前公園で待ってる。……ずっと、待ってるから。》 時間は……18時15分。 今は、21時40分……まさか、な。 俺はすぐさま着替えて外に出て、自転車を飛ばして行った。 午後22時。 駅前公園の近くに自転車を置き、公園の外から中を眺めた。いない…いない、よな。 俺の位置から一番遠いベンチに座っている、肩くらいまでの髪の女。 …間違いない、ハルヒだ。俺は一呼吸置き、自販機でコーヒーとウーロン茶を買った。 そして、ハルヒの後ろ側からゆっくりと近付いた。 肩を震わせて、袖で目を拭っているようだ。……まさか、泣いてるのか? 「早く……来なさいよ、バカ。」 ずっと…待ってたのか。 「…バカで悪かったな。」 驚いて振り向いた顔には、少しだけ泣いたあとが残っていた。 俺は手にもっていたウーロン茶をハルヒに渡して、横に腰掛けた。 「…そい…よ……。」 「ん?なんだって?」 「遅いのよ…バカァ…。」 ハルヒは俺の胸に顔を埋めて泣き出した。 「もう……来ないと思った。…話も、聞いてくれないと思ったんだからぁっ…!」 ハルヒの涙を見たのは、これが初めてじゃないだろうか。俺はなす術も無く、ハルヒの頭を抱き、しばらく泣きやむまでそのままでいた。 「落ち着いたか?」 頭を上げたハルヒに俺は問い掛けた。 「うん、もう大丈夫。」 そう言うと、ハルヒは立ち上がって、歩きだした。 俺もそれを追うように歩いた。 黙って歩き、ちょっとした階段を登った所でハルヒは止まった。 「いろいろ……ごめんね?キョン。勝手に誤解して…嘘ついて…あたしの事、許してとは言わない。ただ……嫌いにならないで…。」 そう言うと、ハルヒは体を後ろ向きに倒し始めた。 ……って、此処は階段だろうが! 「何やってやがる!!!」 俺はハルヒを抱き留めて、そのまま尻餅をつくように階段とは逆に倒れ込んだ。 「バカかお前は!!死ぬ気か!?」 俺達の呼吸は、早くなっていた。恐さで呼吸が荒くなったと言い換えた方が正しいか。 「……今の、今日の屋上であったこと。」 ハッとした。だが、それだけの為にこいつは自分の身を投げたのか。……真性のバカだ、こいつは。 「わかった、信じる!だからって実演することはないだろう!?」 「こうでもしなきゃ、信じてくれないじゃない。それに……キョンが助けてくれるって、信じてた。」 確かに、どんな言葉で説得されるより効果はあったな。昼休みの出来事が事故だと言うのがきっちりと把握出来た。 「まったく…お前の方がバカだよ。ほら、立てよ。ベンチに戻ろうぜ。」 俺はハルヒを引き起こして、ベンチへと歩いた。 《嫌いにならないで》か。 俺は嫌いになるどころか、まだずっと好きだった。あんなシーンを見せられても、怒鳴りあっても、それだけは変わらなかった。 俺が求めているのは好きになり合うこと、ハルヒが求めているのは嫌われないこと。 俺はあくまでも好きでも嫌いでもない存在か?友達止まりなのか? 考えながら、コーヒーを一口啜る。ブラックだから苦い、当たり前だ。 「みくるちゃんから、いろいろ聞いたわ。」 先に口を開いたのはハルヒだった。 「ごめんね?あたしのせいで嫌な思いさせて、有希にも迷惑かけちゃったのもあたしのせい。」俯きながら話していた。 「そんなことないさ。もともとはお前の話を聞く前に勝手に誤解したうえに、教室で嘘までついた俺が悪いんだ。」 さらに、沈黙。気まずい空気が流れだす。 次は俺から口を開いた。 「……二人とも、同じようなことやってんだ。おあいこにしようぜ。」 少し驚いた表情をこっちに向けてきた。 「ほんとに……許してくれるの?」 「だからおあいこだって言ってるだろ。」 驚きの表情が安堵に変わる。少し弱い感じだが、いつものハルヒに似た笑顔だ。 その顔を見た時、俺は感じた。やっぱり、今まで通りの関係なんて嫌だ。ハルヒと付き合いたい……と。 ~ハルヒ視点3~ キョンがおあいこって言ってくれた。あんなに勘違いして、一人で不機嫌になっていたあたしを許してくれた。 自然と笑みが出る。泣いた後だから上手く笑えない、でもうれしいから笑っちゃう。 キョンが優しい、この時間をずっと続けたい。 もう夜も遅いけどずっと一緒にいたい。離れたくない。 あたしは、やっぱりキョンが好きだ。 さっき階段であたしが身を投げた時、《嫌いにならないで》と言った。だけど、もうそれだけじゃ満足出来ない。 「ねぇ、キョン。」 キョンがこっちを向く、鼓動が早くなるのがわかる。 言葉が出ない、なんて言えばいいんだろ。 「ほ、星がきれいね。」 違う、違う。あたしはバカだ!こんな事が言いたいわけじゃない!いつものあたしならサラッと言えるのに、キョンに弱い所を見られて臆病になってる! 「あぁ、そうだな。」 キョンは笑顔で言葉を返してきた。そんな顔されたら、好きな気持ちが止まんないじゃない…。 あたしは、星を見るキョンの横顔に見とれていた。 「どうした?」 目が合った。うわ、今顔がメチャクチャ赤い。あたしは目を逸らしながら言った。 「な、なんでもないわよ。」 キョンは告白(未遂)を2回もしてくれた。あたしはキョンの気持ちを聞くだけ聞いて、返事はしてない。 じゃあ、答えは簡単。怖いけど……あたしの気持ちを伝えよう。 キョンにとって、あたしはもう恋愛対象に無いかもしれない。だけど、はっきりさせよう。 もう、あたしの精神病は止まらない。 「キョン。あたしにはこんな事を言う資格なんてない。あんたの気持ちも変わったかもしれない、だけど……聞いてくれる?」 キョンは黙って頷いた。 「あたしは、あんたが好きだった。それこそ、いつ好きになったかわからないくらい。……もし、あんたの気持ちが変わってないなら…付き合って…欲しい。」 あ~言っちゃったわ。後悔は無いけどドキドキする。 でも、もしダメでもキョンとは今まで通りに出来る気がする。ちゃんと本音を伝えることが出来たから……。 「俺で……いいのか?」 キョンが尋ねてきた。…どうやらキョンもまだ好きでいてくれたみたい。 「あんたじゃなきゃ……ダメなのよ。」 と答えると、キョンがあたしを抱き締めてきた。 ダメ、いきなり過ぎて心臓のドキドキが止まらない。しかも体がくっついてるからキョンにも聞こえちゃってる、恥ずかしい…。 ベンチに座り抱き合った状態で5分程経った時、キョンが口を開いた。 「あ~、すまん、ハルヒ。…ドキドキするから何か言ってくれ。」 ………ほんと、あんたって男は…。 「あんたね、雰囲気台無しじゃない。……せっかく幸せな気分に浸ってたのに。」 「はははっ、悪いな。」 いつもの会話が出来るようになった。あたしはこの雰囲気が一番好きだ。 「もう…しょうがないわね。お詫びに……キス、してよ。」 あたしはそっと目を閉じた。自分でもとんでもない事を言った気がするけど、関係ない。もう、やりたいようにするわ。 「き、キス……か。わかった…い、行くぞ。」 目を瞑ってるから何も見えない。だけど、キョンの存在が少しずつ近付いてくるのが分かる。……あんまりゆっくりしたら、あたし、ドキドキしすぎて倒れそう。 「お、お願いだから早くして?あたし、ずっとドキドキしてるんだけど……。」 「あぁ…悪い。」 そう言ったキョンはあたしにキスをしてきた。 瞬間的に唇を重ねただけのキス。現実でのあたしのファーストキス。 日付が変わった午前0時の駅前公園、あたしにとって、一番大事な時と場所になった。 「じゃあ……帰ろうぜ。お前の両親も心配してるだろ?」 優しいキョンの声、心が少しずつ落ち着いてくる。 「もちろん、あんたが送ってくれるのよね?」 キョンがあたしの手を引きながら答えた。 「何をいまさら、当たり前だろ?ほら、乗れよ。」 いつの間にかキョンの自転車がある場所まで来ていた。すでにキョンは自転車に跨がっている。 あたしはキョンの後ろに座り、強く、強くキョンの体を抱き締めた。 「キョン、……大好き。」 「俺もだよ、ハルヒ。」 そのまま、あたしは家へと続く道をキョンの温もりに幸せを感じながら帰って行った。 終わり